1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671371
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
和田 卓郎 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00244369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20178239)
石井 清一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20001000)
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Keywords | 顆粒球コロニー刺激因子 / トランスジェニックマウス / 骨粗鬆症 / 骨量 / 骨形成 / Bone morphogenic protein |
Research Abstract |
1.G-CSFを過剰に発現したトランスジェニックマウス(Gマウス)では、in vivoでBMP-2によって誘導される異所性骨化が抑制される。今年度は、異所性骨化巣におけるI型コラーゲン、オステオポンチン、オステオカルシンの発現をmRNAと蛋白レベルで検索した。RT-PCRで検出される3つの蛋白のmRNAレベルはGマウスと対照の間には差はみられなかった。一方、オステオカルシンの免疫染色性がGマウス骨基質で有意に不良であった。Gマウスにおける骨化の以上には、オステオカルシンの骨芽細胞から骨基質への移行の障害が関与している可能性が示唆された。 2.in vivoにおける骨髄細胞の骨芽細胞と破骨細胞への分化能をGマウスと対照マウスの間で比較した。大腿骨・脛骨より採取した骨髄細胞をアスコルビン酸とデキサメタゾン存在下に9日間培養した。Alp染色、TRAP染色を行い、骨芽細胞と破骨細胞を同定した。Gマウスの骨髄細胞から形成される全コロニー数とAlp陽性コロニー数は、対照に比べ有意に少なかった。全コロニー数に対するAlp陽性コロニーの比も有意に小さかった。GマウスではTRAP陽性細胞数が有意に少なく、その形態は小さく核数も少なかった。Gマウスではin vitroにおける骨髄細胞の骨芽解剖と破骨細胞への分化能が抑制されていることが明らかになった。 3.骨形態計測上のGマウスでは、osteoclast number,osteoclast surfaceのパラメーターが増加していた。これは上記2.の結果と相矛盾する。そこで、マウスの尿中デオキシピリジノリン値を測定し、Gマウスのin vivoでの骨吸収能を再検討した。尿中デオキシピリジノリン値はGマウスと対照間で差がみられなかった。Gマウスでは、破骨細胞数の増加があるにも関わらず、骨吸収の亢進が起こっていないことが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 織田 崇: "骨粗鬆症モデルとしてのG-CSFトランスジェニックマウス-骨形成能の検討-"日本骨代謝学会雑誌. 17. 47 (1999)
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[Publications] 織田 崇: "骨粗鬆症モデルとしてのG-CSFトランスジェニックマウス-骨形成能の検討-"日本整形外科学会雑誌. 73. S1891 (1999)
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[Publications] 織田 崇: "G-CSFトランスジェニックマウスの骨粗鬆症の成因解析"日本病理学会雑誌. 88. 134 (1999)