2000 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導量子干渉素子を用いた変動磁場刺激法による骨組織の非侵襲的検査法の確立
Project/Area Number |
10671374
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
金 郁ちょる 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50244603)
|
Keywords | 仮骨成熟促進 / 超伝導量子干渉素子 / 交流電気刺激 / インピーダンス |
Research Abstract |
骨の恒常性維持に関与する圧電位を推定し、発生する微小電流を生じさせるに必要な変動磁場を骨組織に繰り返し負荷し、変動磁場により生じる骨組織の電流の伝播と方向性をSQUIDにより計測することにより,非侵襲的なSQUIDによる骨折治癒過程での仮骨強度判定を確立することを目的として研究を行ってきた.平成12年度は骨組織,特に仮骨形成に伴うインピーダンス値の変化を計測することが重要であり、延長仮骨を用いてそのインピーダンス値と電流経路の解析を行った. 【実験:仮骨成熟に伴うインピーダンス値の変化と電流経路の解析】 体重1000g前後の雄成熟家兎30羽の右脛骨に対して創外固定期を用いての約1.2cmの仮骨延長を行い。交流電気刺激装置を用いて刺激群と無刺激群にわけて骨形成促進の効果を組織学的,X線学的,電気生理学的に検討した.電気生理学的にはオシロスコープを用いて実行電流およびそのインピーダンス値を経時的に計測した.また,兎の脛骨を摘出する際には皮膚組織,皮下軟部組織を除去した群,骨膜を残した群,および骨組織のみの群に対してそれぞれのインピーダンス値を計測した.その結果,延長終了後2週の仮骨のインピーダンス値は70〜80Ωmであることがわかった.また全体の抵抗値は骨膜のみを残した場合のインピーダンス値と有意な差はなく,両者とも骨組織のみのインピーダンス値より有意に高い値を示していた.このことから仮骨形成促進のための刺激電流経路は骨膜周囲の湿潤した組織と,骨組織からなることが推測できた.現時点では軟部組織の影響,特に筋組織のインピーダンスが低いため,SQUIDによる負荷磁場は骨組織を経路としていない可能性が高い.今後,電流刺激による仮骨形成の促進やその機序を含めて骨組織の恒常性維持の制御に関し,電気生理学的側面から研究を続ける予定である.
|
Research Products
(1 results)