1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671385
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
高橋 正憲 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10095622)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼子 智 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (40214457)
|
Keywords | 凍結保存 / 骨膜 / ジメチルスルフォキシド / プログラムフリージング / ミトコンドリア |
Research Abstract |
平成10年度は、新生骨形成率を指標として骨膜凍結の至適条件の検索を拭みた.受精18日鶏胚の大腿骨より採取した5mm^2大の骨膜を凍結保存し,融解骨膜を受精9日鶏卵より作製した漿尿膜培地に移植して10日間培養し、ソフテックスを用いてX線撞影を行い、骨形成の有無を確認した.凍結保護剤にはヒト胚の培養に用いられるIVF AH25培養液に1.0Mトレハロース、抗生物質(ホスミシン、10μgh/ml)および種々の濃度の鶏卵黄を添加したものを基本液としてを用い、凍結保護物質として12%ジメチルスルフォキシド(DMSO)を用いた.凍結には、エタノールを冷媒としたプログラムフリーザーを用い,室温/-7℃(2.0℃/分)、-2.0℃/-40℃(1.0℃/7分)で凍結し、その後直ちに液体窒素に浸消して-196℃とし、凍結保存した.融解は微温湯中で行った.l.凍結保護剤の添加、除去方法の検討: 凍結,融解に際して、胚凍結で一般的に行われる凍結保護剤の段階的な添加、除去を検討した.すなわち、基本液に0、6、12%DMSOを添加した凍結保護剤剤(卵黄濃度20%)を作成し、1)約5分間隔でDMSO濃度を上昇、下降、2)DMSO濃度の股階的上昇、融解後は直ちに培養液で洗浄、3)直接添加、融解後段階的下降、4)直接添加、融解後は直ちに洗浄した4群を作成し、凍結保護剤の添加、除去法を検討した.凍結容器にはガラス製試験管を用いた.4群とも新生骨形成率に有意な差を認めず,第4群、すなわち12%DMSOを含む凍結保護剤の直接添加、融解後は培養液で直接洗浄することとした.DMSO不含凍結保護剤を用いた場合は新生骨形成を認めず、凍結保存に際してDMSOが必須であることを認めた.一方、卵黄不含凍粘保護剤では新生骨形成は著しく低く、骨膜の凍結に際してはDMSOとともに卵黄が重要な意義を有することを見いだした.2.卵黄濃度の検討:上述した凍結保護剤の卵黄濃度を0〜88%として比較を行った.その結果、卵黄濃度0〜50%の範囲では濃度上昇に伴い新生骨形成率が向上することを認めたが、それ以上ではほぼ同程度の値が得られた.高濃度の卵黄液は粘度が高く、操作が煩雑であるため、以後の検討では卵黄濃度を50%とした.3.ミトコンドリア酸化還元能を指標とした結融解に伴う細胞障害の解析:10%アラマプルーを含む10%鶏血清加PRMl1640培養液を用いて骨膜細胞のミトコンドリア酸化還元能を測定が可能であることを見いだした.
|