1998 Fiscal Year Annual Research Report
in situ hybridization法を用いた遺伝的脊椎変形ウサギの検討
Project/Area Number |
10671390
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
金 明博 大阪医科大学, 医学部, 助手 (80298760)
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Keywords | remodeling / in situ hybridization / spinal deformity |
Research Abstract |
【目的】in situ hybridization法を用いて椎体の前方部と後方部での細胞活性の違いを遺伝子レベルで検討し,変形出現のメカニズムを解明することを目的とした. 【方法】1.切片の作成.生後6〜14週のLSRを屠殺し,脊椎を摘出し4%中性燐酸緩衝パラホルムアルデヒドに4℃,5日間浸積固定した.ギ酸にて約4週間脱灰し,パラフィン包埋した.これを6μmの厚さで薄切し染色を行った. 2. RNAプローブの作成.日本白色家兎出生約1週前の胎児の骨組織を摘出して,これよりmRNAを抽出した.RT-PCRを行いcDNAを作成し,I型コラーゲン, オステオポンチン(Osp),Bone Morphogenetic Prctein-2(BMP-2)の各々のプライマーを用いてPCRを行い増幅した.このPCR産物をクローニングしたプラスミドよりジゴキシゲニンでラベリングしたセンス,アンチセンスプローブを作成し染色に用いた.野村らの方法に準じてhybridizationを行いシグナルを検出した. 【結果】1.I型コラーゲンは前弯変形の認められた椎体前方の内骨膜部骨芽細胞と後方の外骨膜部骨芽細胞に強いシグナルが認められた.また,同部位の他の部位の椎弓にも同様の所見が認められた.変形を認めない部位ではそのような傾向は認められなかった.BMP-2も発現は弱いがほぼ同様の結果であった. 2.前弯変形の認められた椎体後方の内骨膜部Howship's lacunaeの破骨細胞とその周りの骨細胞にシグナルが認められた.椎体前方の内骨膜部にはそのような所見はなく,変形の認められない椎体ではこのような前後での差異は認められなかった. 【考察】I型コラーゲン,BMP-2 mRNAのシグナルを,前弯変形を呈する椎体および椎弓前方の内骨膜部骨芽細胞と後方外骨膜部骨芽細胞に認めたことより,この部位では骨形成が旺盛であると考えられる.逆に同椎体後方の内骨膜部ではHowship's lacunae内の破骨細胞とその周囲の骨細胞にOsp mRNAのシグナルが認められたことより,骨吸収が起こっていると考えられる. 【結論】胸椎の前弯変形をきたす外力に対してのリモデリングが起こっていると考えられた.
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