肝機能回復に伴う肺血管内皮および平滑筋機能の変化に関する研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10671395
• Research Institution: Akita University
• Principal Investigator: 堀口 剛 秋田大学, 医学部, 講師 (80272037)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 西川 俊昭 秋田大学, 医学部, 教授 (50156048) ; 長崎 剛 秋田大学, 医学部, 助手 (60292380) ; 川村 公一 秋田大学, 医学部, 助教授 (00091801) ; 安部 恭子 秋田大学, 医学部, 助手 (30311575)
• Keywords: 肝硬変 / 肺動脈 / 血管内皮 / 血管平滑筋

Research Abstract

肝硬変による肺動脈内皮細胞および平滑筋細胞の機能への影響を検討した。
雄Wisterラットをコントロール群と肝硬変群に分けた。肝硬変ラットは四塩化炭素とオリーブ油を等量混合した溶液を0.2ml/100gを週2回、16週間大腿部に皮下注し作製した。両群ともイソフルレン麻酔下に、心肺を一塊として取り出し、主肺動脈輪状標本を作製した。また、肝の組織標本を作成し、肝硬変となっていることを確認した。肺動脈は、酸素95%、二酸化炭素5%の混合ガスにで通気しでいる37℃の緩衝液(EBSS)中に吊るし、1000mgの張力をかけ安定させ、フェニレフリン10^<-6>Mにて前収縮させた後、アセチルコリン(Ach;10^<-9>M〜10^<-6>M)およびニトロプルシッド(SNP;10^<-9>M〜10^<-6>M)による等尺性張力の変化を調べた。統計処理はstudent t-testを用いP<0.05を有意差とした。
Achに対する拡張反応は2群間で差はなかったが、SNP対する反応はすべての濃度において肝硬変群で有意に拡張した。外因性NOに対する血管拡張反応が増強しているのに対し、Achに対する反応が変わらないことは、肝硬変ラットの肺動脈は、血管内皮細胞障害により内因性NOの産性が低下しているのかもしれない。