1998 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄後角の各種受容体と吸入麻酔薬MACについての研究
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10671399
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石崎 恵二 群馬大学, 医学部, 講師 (50193305)
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Keywords | MAC / NMDA受容体拮抗薬 / non-NMDA受容体拮抗薬 / AMPA / CNQX / マグネシウム / metabotropic NMDA受容体 / APV |
Research Abstract |
吸入麻酔薬のMACを最も減少させる脊髄後角での受容体を検索するために、くも膜下にカテーテルを留置した。 実験1、くも膜下にNMDA受容体(拮抗薬APV,作動薬NMDA)non-NMDA受容体(拮抗薬CNQX、作動薬AMPA),metabotropic NMDA受容体(拮抗薬AP3 AP4,作動薬trans ACPD),NK-1受容体(拮抗薬CP96345,作動薬substance P)を投与しMACを測定した。方法:モデルの作製は体重280-320gの雄のウィスター系ラットを用いる。カテーテルの留置はYakshの方法で作製する。MACの測定は気管切開を14Gのテフロン針の外套を用い行う。非呼吸式呼吸回路より21・min-1酸素とイソフルレンを投与する。呼吸回路の側孔からポリエチレンチカテーテル(PE-50)を挿入し気管分岐部付近に留置し、呼気終末麻酔薬濃度を測定する。動脈圧測定、血液ガス測定の目的でラットの右大腿動脈にポリエチレンチカテーテル(PE-50)を留置し、動脈圧と血液ガス分析を行う。体温を一定に保つ目的で直腸温をモニターし、ヒートパットで体温を自動的に36.5-37.5度に保つ。MACの測定はup-and down法を用いて行う。最初に生食でMACを測定し、各種受容体拮抗薬を投与し再びMACを測定する。最後に受容体agonistを投与し実験を終了する。薬剤は10μlとなるように生理食塩水で溶解する。 結果:non-NMDA受容体拮抗薬CNQX、 metabotropic NMDA受容体拮抗薬AP3はMACを低下させなかった。NMDA受容体拮抗薬APV、NK-1受容体拮抗薬CP96345はMACを低下させその低下は作動薬で拮抗された。 実験2、くも膜下マグネシウム投与の効果を検討した。 方法:1.locomotion test.運動麻痺の程度を測定した。2.熱刺激(Hot plate test):52.5℃のHot plate上でラットが逃避反応を示すまでの潜時を計った。3.機械刺激(Randall Selitto method:ラットの後肢に圧(重量)刺激を加え、後肢が逃避反応を示す圧閾値を記録した。4.フォルマリンテスト:ラット右後肢に5%フォルマリン50μlを注射しflinchの回数を第1相(1〜6分)、第2相(10〜61分)で記録した。このテストのみ0.6%Mgくも膜下腔投与も検討した。 結果:9.2%までは運動麻痺は軽度しか見られなかった。熱刺激の潜時、機械刺激の圧閾値、フォルマリンテスト第1相のいずれもMgのくも膜下投与により変化しなかった. 6.2%Mgはフォルマリンテスト第2相は有意(p<0.05)に抑制したが、0,6%では抑制されなかった.
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Research Products
(1 results)