1998 Fiscal Year Annual Research Report
重症患者の腹腔内臓器血流と消化管粘膜機能維持に関する研究
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10671400
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
国元 文生 群馬大学, 医学部, 講師 (70125847)
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Keywords | 心臓手術 / 体外循環 / 心拍出量 / 胃粘膜pH / 肝静脈酸素飽和度 / エンドスペシー / ベータ グルカン |
Research Abstract |
体外循環を使用した心臓手術患者16名(冠動脈バイパスグラフト患者10名、弁置換患者6名)を対象とし以下の4項目の測定を行った。各項目の測定ポイントは、麻酔導入後、CPB60分後、CPB終了直前、ICU入室時、ICU12時間後、ICU24時間後の6ポイントである。 く測定項自〉 1。 循環動顧の評価 2。 肝静脈血酸素飽和度測定 3。 胃粘膜pHの測定 4。 動脈・肝静脈エンドトキシン濃度 〈結果〉 1。 循環動態 麻酔導入後平均心係数は2.6+/0.3L/min/m2であった。体外循環は低湯下に2.2+/0.1L/min/m2で行った。術後心係数は徐々に上昇し、ICU入室時3.3+/0.6L/min/m2、ICU24時間後3.4+/0.7L/min/m2と安定し平均的全身組織酸素供給は保たれていた。 肺血管抵抗、体血管抵抗はICU24時間後まで徐々に低下を示した。また血清乳酸値はICU入室時7.7+/と高値を示したが徐々に低下した。 2。 肝静脈血酸素飽和度 CPB60分後80.3+/4.4%と著明に上昇した肝静脈血酸素飽和度はCPB終了直前に65.6+/2.8%、ICU入室時に56.4+/5.9%と低下し以後徐々に上昇した。 3。 胃粘膜pH 胃粘膜pHは、麻酔導入後7.45+/0.05、CPB60分後7.559+/0.1と高値を示したがCPB終了直前より低下を示しICU入室時は7.223+/0.01と著明に低下した。胃粘膜pHは徐々に上昇しICU24時間後に正常下限とされる7.32をこえた。 4。 動脈・肝静脈エンドトキシン濃度 エンドトキシンは生化学工業社の測定システムと試薬によりエンドスペシーとベータグルカンの両者を測定した。血清エンドスペシー値は5pg/ml以下で経過したが、ベータグルカンはCPB終了直前に158+/41pg/mlと高値を示し以後徐々に低下した。
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