1999 Fiscal Year Annual Research Report
難治性慢性疼痛に対する誘発痙攣の除痛効果に関する研究
Project/Area Number |
10671420
|
Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
原野 清 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30038848)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能塚 博史 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (00274598)
高崎 光浩 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70236206)
十時 忠秀 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (20038722)
|
Keywords | 慢性痛 / 急性局麻薬中毒 / 脳波 |
Research Abstract |
局所麻酔薬急性中毒時の異常脳波と除痛効果の観察 片側の坐骨神経を縫合糸にて結紮(Bennet model)して作成した慢性坐骨神経痛犬に気管内挿管を行い酸素・空気・イソフルラン(AOI)による吸入全身麻酔を行った。モニタリングとしては心電図、心拍数、観血的動脈圧、脳波の測定を行った。局所麻酔薬は1%リドカインを使用し、3mg/kg(2頭)と5mg/kg(2頭)の静脈内ボーラス投与後の観察を行った。観察結果はリドカイン3mg/kg投与群では静注後数10秒以内に心拍数増加(50-60%)と血圧上昇(80-120%)が認められ、同時に脳波も周波数と振幅が増えるのが観察され、1-1.5分経過頃からα波にspike波が混入するいわゆるspike&waveが散発的に数分間認められその後循環動態と脳波異常は次第にコントロール値に復した。リドカイン5mg/kg群では3mg/kgと比較し、心拍数増加と血圧上昇が10秒前後で発現した。血圧の上昇率は大差を認めなかったが、心拍数については90-110%の増加を認め一時的に心室性頻脈の状態を呈した。脳波上の変化も静注30秒後頃より3mg/kg群と同様の所見を認めたが、spike&wavcがより頻回にしかも10秒前後継続した。いずれの群においても全身性の痙攣は気管内挿管時に使用した非脱分極性筋弛緩薬ベクロニウムのために認めなかった。バイタルサインが安定した時点で麻酔から覚醒させ、歩行状態の観察を行ったが、3mg/kg群で約2時間、5mg/kgでは約3時間、実験前の歩行に比し、疼痛肢の歩行改善が認められた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 原野 清: "難治性慢性疼痛に対する大槽内メチルプレドニゾロン注入法(Drug induced convulsive therapy: DICT)"第25回日本医学会総会会誌. [II]. 366 (1999)
-
[Publications] 原野 清: "大槽内ステロイド"ペインクリニック. 20(6). 827-835 (1999)
-
[Publications] 原野 清: "硬膜外・くも膜下投与"ペインクリニック. 21(Suppl)(5/10発行予定). (2000)
-
[Publications] 原野 清: "Drug induced convulsive therapy"日本臨床麻酔学会誌. 20(3)(印刷中). (2000)