2000 Fiscal Year Annual Research Report
下行性疼痛抑制系のイノシトールリン脂質代謝に対する麻酔薬の影響
Project/Area Number |
10671421
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 治 長崎大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80136671)
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Keywords | イノシトールリン脂質 / 麻酔薬 / ノルアドレナリン |
Research Abstract |
青斑核から脊髄に投射したノルアドレナリン作動性ニューロンは下行性抑制系とよばれ、脊髄後角に神経線維を送り、そこで侵害受容性疼痛を中枢へ中継する二次ニューロンの細胞体にシナプス接続している。ノルアドレナリン作動性ニューロンの終末部から放出されたノルアドレナリンは二次ニューロンの細胞体にあるαアドレナリン受容体に作用する。α_1アドレナリン受容体が刺激されるとα_2アドレナリン受容体を介した反応を抑制することから、α_1アドレナリン受容体も下行性抑制の調節に関与していることが示唆される。そこでノルアドレナリンED_<50>で亢進させたイノシトールリン脂質代謝(PI)レスポンスに対して麻酔薬の影響について調べる。 ノルアドレナリンED_<50>で亢進させたPIレスポンスに対して静脈麻酔薬がどのように作用するかについて検討した。 動物実験委員会の承諾を得た後、雄性ウイスターラット(250-350g)を対象とし、ネンブタール麻酔後速やかに胸部脊髄を取りだし幅1mmの横断切片を作成した。5mM LiClと[^3H]ミオイノシトールを含むK-H液に静脈麻酔薬のドロペリドール、チアミラール、ケタミン、フェンタニール、ミダゾラム、プロポフォールを投与し、15分後に2.5μMのノルアドレナリンを投与し60分間インキュベートし、PI代謝産物の[^3H]イノシトール1リン酸(IP_1)を測定した。ドロペリドールはノルアドレナリン誘発性IP_1産生を濃度依存性に抑制したが、ケタミン、フェンタニール、ミダゾラム、プロポフォールは影響なかった。チアミラールは1000μMで有意にノルアドレナリン誘発性IP_1産生を抑制した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Osamu Shibata et al: "Clonidine attenuates the carbachol-induced contractile and phosphatidylinositol responses of rat trachea"J.Pharm.Pharmacol. 52. 1523-1528 (2000)
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[Publications] Atsushi Tsuda et al.: "A dose-response study of anticholinesterase drugs on contractile and phosphatidylinositol responses of rat trachea"Anesth Analg. 92. 100-105 (2001)
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[Publications] Shu Iwanaga et al.: "The role of α_1-adrenoceptors in clonidine-induced contraction and relaxation of rat aorta"Res Comm Mole Phath Pharm. 102. 137-147 (1988)