2000 Fiscal Year Annual Research Report
ラット胸部大動脈遮断後の虚血性脊髄障害に対するモルヒネの悪影響に関する研究
Project/Area Number |
10671431
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
笹良 剛史 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (80225903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣花 学 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (20274897)
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Keywords | 虚血性腎髄障害 / モルヒネ / DAMGO / オピオイドμ受容体 |
Research Abstract |
平成12年度には、虚血性脊髄障害に対するモルヒネ投与ならびに選択的オピオイドμ受容体であるDAMGOの影響について神経学的運動機能と病理組織学的検討を行った。 1:短時間脊髄虚血後のくも膜下モルヒネならびにDAMGO投与による神経学的運動機能の評価 雄Sprague-Dawleyラットを用い、2Fr.Fogartyカテーテルによる胸部大動脈遮断と近位側大動脈圧を40mmHgに調節しこれを6分間維持することにより非障害性短時間脊髄虚血モデルを作成した。このラットに予め留置していた腰部くも膜下カテーテルからモルヒネ(30、10、3μg)あるいはDAMGO(2.5、1、0.5μg)を虚血後1時間目に投与した。神経学的運動機能の評価を経時的に虚血後48時間まで行った。 【結果】虚血直後の神経学的運動機能は、歩行可能(Motor Deficit Index:MDIで3点)であったがくも膜下モルヒネ30μgあるいはDAMGO2.5μg投与により痙性対麻痺(MDIで5-6点)を示した。しかしながらモルヒネ3μgあるいはDAMGO0.5μgでは神経学的運動機能に変化はみられなかった。また、虚血後48時間目の神経学的運動機能は回復(MDIで0点)した。 2:短時間脊髄虚血後のくも膜下モルヒネあるいはDAMGO投与による脊髄病理組織学的検討 短時間脊髄虚血後のくも膜下モルヒネ30μgあるいはDAMGO2.5μg投与48時間後に犠殺し4%パラフォルムアルデヒドで潅流固定した。その後脊髄のパラフィン切片を作成しクレシルバイオレット液とルクソールファストブルー液で染色した(Kluver-Barerra染色)。 【結果】生食投与群の脊髄は正常所見であった。モルヒネあるいはDAMGO投与群では選択的に脊髄前角細胞の暗染色化がみられた。 【総括】以上の結果から、非障害性短時間脊髄虚血後のモルヒネ誘発痙性対麻痺ならびに脊髄前角細胞障害はオピオイド受容体のμタイプの関与が明らかになった。
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