1998 Fiscal Year Annual Research Report
熱ショック蛋白質誘導による敗血症性臓器障害に対する治療応用の検討
Project/Area Number |
10671435
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
住田 臣造 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70187805)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成松 英智 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70295343)
七戸 康夫 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90271147)
|
Keywords | 敗血症 / 熱ショック蛋白質 / 多発性壊死性腸炎 / 横隔膜収縮力 / サイトカイン / エンドトキシン / 一酸化チッソ |
Research Abstract |
本研究は敗血症性臓器障害に対するテプレノン投与により熱ショックタンパク質誘導を行い、その臓器保護作用を検討することを目的として計画されたものである。 1. 敗血症性臓器障害・chemical mediator・HSP-70の検討結果 (1) 臓器障害: 腹膜炎敗血症により組織学的に明らかな肺傷害、肝障害、小腸では粘膜傷害が顕著に認められ、横隔膜収縮力の低下が認められた。 (2) chemical mediator: 腹膜炎敗血症により炎症性サイトカイン(tumor necrosis factor-alpha,interleukin-1beta)、NOxの異常上昇が認められた。また、敗血症により門脈内のエンドトキシン濃度が検出された。 (3) HSP-70: 腹膜炎敗血症により肝臓では中心静脈を中心とした肝細胞・類洞細胞に弱くHSP-70の誘導が認められた。肺では気管・気管支粘膜上皮を中心にHSP-70の誘導が認められた。横隔膜にもHSP-70の誘導が弱く認められた。 2. テプレノンによる臓器HSP-70誘導性についての検討結果 (1) テプレノン50mg/kgより肝臓以外の臓器(肺、腎、消化管粘膜,心、横隔膜等)に免疫組織科学的にHSP-70の発現を認めた。Western blottingはテプレノン100mg/kgラットの消化管粘膜、横隔膜で検出された。 3. テプレノン投与による臓器保護作用の検討 (1) 実験的多発性壊死性腸炎(MNE)の作成: ラット小腸の虚血再環流傷害後にtumor necrosis factor投与(Two hit model)により典型的なMNEが発症した。これによりbacterial translocationの指標となる門脈血エンドトキシンの以上上昇を認めた。テプレノン200mg/kg投与によりHSP-70が小腸粘膜に誘導され粘膜傷害が軽減された。 (2) 敗血症性横隔膜収縮傷害への検討: テプレノン50mg/kg以上の投与で敗血症性横隔膜収縮傷害が有意に減少した。テプレノン100mg/kgと200mg/kgでは収縮力改善効果に差は認められなかった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 住田臣造: "Molecular Biologyからみたショックの病態-heat shock proteinを中心に-" 集中治療. 10・4. 377-385 (1998)
-
[Publications] 住田臣造: "敗血症と熱ショック蛋白質" Shock(日本Shock学会雑誌). 13・2. 40-44 (1998)
-
[Publications] 成松英智: "Sepsis attenuates the intensity of the neuromoscular blocking effect of d-fubocurarine and the antugonistic altian of neost fmine and edrophonian deppression of muscle cntractility of the dyphy" Acta Anesthetica Scandinavia. 43・2. 196-201 (1999)