1999 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬による虚血プレコンディショニング効果-K_<ATP>チャネル活性、Mg^<2+>濃度変動からの解析-
Project/Area Number |
10671441
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
赤澤 訓 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10184079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 良介 自治医科大学, 医学部, 講師 (50222956)
池野 重雄 自治医科大学, 医学部, 助手 (60265270)
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Keywords | 虚血プレコンディショニング / 再灌流障害 / 局所心筋機能 / 揮発性吸入麻酔薬 / K_<ATP>チャネル開口薬 / マグネシウムイオン |
Research Abstract |
揮発性吸入麻酔薬sevofluraneの虚血心筋保護効果を解析するための基礎研究を継続して行った。 方法:イヌの虚血心(stunned myocardium)モデルにおいて、sevofluraneの虚血心筋保護効果を対照群、nicorandil群およびMgSO_4群の4群間で比較検討した。心筋虚血は左冠動脈前下行枝の閉塞および再灌流をそれぞれ5分間隔で5回反復して行うことによって作成した。各群での薬物投与量は、それぞれsevoflurane 2.36%(1MAC)、0.9%NaCl 10 ml・kg^<-1>・h^<-1>(対照群)、nicorandil 100μg・kg^<-1>+25μg・kg^<-1>・min^<-1>またはMgSO_4140mg・kg^<-1>+80mg・kg^<-1>・h^<-1>とし、これらを虚血作成開始前30分から虚血作成終了時まで持続投与した。虚血心筋保護効果の比較は、各群での心血行動態、局所心筋機能、局所心筋血流量および心筋代謝に関するパラメーターの変動にもとづいて行い、これらの測定は虚血作成終了後の再灌流開始から15、30、60、120および180分経過した各時点で行った。 結果:虚血領域の局所心筋収縮機能および局所心筋血流量はいずれもsevoflurane群およびnicorandil群において、他の2群よりも高いレベルに維持される傾向を示した。また、対照群では再灌流開始直後から致死的不整脈が頻発したのに対し、他の3群ではこれらの不整脈の発生がほとんどみられなかったことから、sevoflurane、nicorandilおよびMgSO_4はいずれも再灌流性不整脈に対する高い抗不整脈作用を有していることが確認された。
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