2001 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬の虚血プレコンディショニング効果-K_<ATP>チャネル活性,Mg^<2+>濃度変動からの解析-
Project/Area Number |
10671441
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
赤澤 訓 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10184079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 昌人 自治医科大学, 医学部, 助手 (80322395)
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Keywords | KATPチャネル / アゴニスト / 揮発性吸入麻酔薬 / グリブライド / セボフルラン / アンタゴニスト / 局所心筋収縮機能 / 気絶心筋 |
Research Abstract |
揮発性吸入麻酔薬セボフルランの抗虚血効果を気絶心筋stunnedmyocardiumの局所心筋収縮機能におよぼす効果から検討した。 【方法】イヌを用いて、コントロール群(n=7)、セボフルラン群(n=7)およびセボフルラン+グリブライドglybride群(n=7)の3群とし、基礎麻酔はフェンタニル・ジアゼパムで維持した。気絶心筋は、左冠動脈前下行枝の第1対角枝分岐部よりも遠位側において、閉塞と再灌流とをそれぞれ5分間ずつ連続して5回反復することによって作成した。コントロール群およびセボフルラン群では、1回目の閉塞前30分の時点から5回目の再灌流直前まで、セボフルラン0MACおよび1.0MACをそれぞれ吸入させた。セボフルラン+グリブライド群では、1回目の閉塞前30分の時点でグリブライド0.05mg・kg^<-1>を1回静注した後に、セボフルラン1.0MACを5回目の再灌流直前まで吸入させた。左室虚血領域の局所心筋機能の指標には、1対の超音波振動子によって測定される局所心筋短縮率%SSを用いた。測定は、baseline、1回目の閉塞直前、5回目の再灌流直前、再灌流開始後15、30、60、120および180分の各時点で行い、3群での変動を比較検討した。 【結果】%SSは、セボフルラン群では再灌流開始後30の時点でほぼbaselineレベルまで回復したのに対し、コントロール群では、この回復に約120分を要した。また、セボフルラン+グリブライド群では、セボフルラン単独による気絶心筋局所の収縮機能の回復促進はみられなくなり、%SSはコントロール群とほぼ同様の推移を示した。本研究結果から、セボフルランはK_<ATP>チャネルの活性化をひとつの機序として、気絶心筋の収縮機能の回復を促進させることが明らかにされた。
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