1998 Fiscal Year Annual Research Report
侵害伝達と炎症機構における内因性オピオイドとサブスタンスP活性の解析に関する研究
Project/Area Number |
10671443
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
西村 欣也 順天堂大学, 医学部, 講師 (80164581)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 行男 東京都臨床医学総合研究所, 化学療法部, 主任研究員 (80124501)
羽里 忠彦 東京都臨床医学総合研究所, 化学療法部, 主任研究員 (60109949)
釘宮 豊城 順天堂大学, 医学部, 教授 (90010537)
|
Keywords | Spinorphin / Leuhistin / PMN |
Research Abstract |
われわれがウシ脊髄よりエンケファリン分解酵素活性を指標として単離・精製したspinorphin(Leu-Val-Val-Try-Pro-Thr-Trp)はオピオイド活性のみならず、好中球機能に関する抗炎症作用にも強く関与していると報告されている。また、このSpinorphin自身はアミノペプチデースMと好中球表層のアミノペプチデースNにより代謝されることが明かとなっている。 今回、抗炎症作用を確認するべくマウスのair-pouchモデルに対しカラゲニン投与による急性炎症モデルを作成し、PMN(polymorphnuclear neutrophil)のaccumulation(蓄積:cells/mouse)によるSpinorphinの抗炎症作用を検討した。その結果、SpinorphinはPMNaccumulationをコントロールに較べて、有意(p<0.01)に減少させた。さらにSpinorphinの代謝酵素であるアミノペプチデースNの特異的阻害剤であるLeuhistinを併用投与するとPMNaccumulationはさらに減少した(p<0.05)。また、このPMNaccumulationはSpinorphinに対してdose-dependentに減少した。 これらの結果よりSpinorphinは炎症に伴い、分泌されるアミノペプチデースNにより代謝されるが、内因性の抗炎症作用物質と考えられる。 今後、副作用のない抗炎症作用を有する薬品の開発に重要な手がかりとなると思われる。
|