1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671451
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
左利 厚生 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80035203)
|
Keywords | Inverse ratio ventilation / 頭蓋内圧 / 最高気道内圧 / 平均気道内圧 / 頭蓋内圧亢進 / 吸気流速波形 |
Research Abstract |
終末呼気陽圧(PEEP)は,肺酸素化能を改善するが,頭蓋内圧(ICP)を亢進させ,中枢神経症状を悪化させうる.そこで本研究では吸気時間を延長させ吸気呼気相比(I/E)を逆転させて肺酸素化能を改善する人工呼吸法Inverse Ratio Vantilation(IRV)がICPにどのような影響を与えるかについて正常頭蓋内圧および頭蓋内圧を亢進させた犬を用いて実験した.人工呼吸の吸気流速波形は矩形波と漸増波の2種類を用い,流速波形の影響も検討した。I/Eを1:2,1.7:1,2.3:1,4:1の4種類に変化させ,ICP,脳灌流圧,平均気道内圧,最高気道内圧,平均動脈圧,平均肺動脈圧,中心静脈圧を比較した。その結果,I/E逆転時平均気道内圧がやや上昇したが,最高気道内圧には差を認めなかった.正常頭蓋内圧で吸気流速を矩形波で換気したグループではICP変化は,I:E=1:2,1.7:1,2.3:1,4:1でそれぞれ12.7±3.1,12.4±4.6,12.3±3.3,14.4±3.5cmH2O(mean±SD)で,ICPおよびその他の測定値に有意差は見られなかった(p<0.05).また,これらの結果は頭蓋内圧の設定値および流速波形の影響を受けなかった.すなわち,いずれの条件下でも人工呼吸中のICPは呼気時間の短縮に影響されないことより,最高気道内圧の上昇しないIRVは頭蓋内圧や呼気流速波形によらずICPへの影響がないことがわかった.したがって,IRVは頭蓋内圧亢進患者の人工呼吸法として有用であると判断された.
|
Research Products
(1 results)