1999 Fiscal Year Annual Research Report
経皮吸収促進薬を利用した貼付型局所麻酔薬の開発ならびに臨床研究
Project/Area Number |
10671452
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐野 智美 久留米大学, 医学部, 助手 (60196300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 龍彦 久留米大学, 医学部, 教授 (50040605)
福重 哲志 久留米大学, 医学部, 助手 (80181254)
入江 将之 久留米大学, 医学部, 助手 (30268940)
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Keywords | 貼付局所麻酔薬 / lidocaine / dibucaine |
Research Abstract |
市販の貼付用局所麻酔剤ペンレスTMは,鎮痛強度,持続時間が不足するため,帯状疱疹後神経痛(以下,PHNと略)やcomplex regional pain syndrome(以下,CRPSと略)などのアロディニア対策としての使用は難しい.先に開発した10%リドカイン水性ゲル(以下,L-ゲルと略)は臨床応用されているが,L-ゲルは長時間連続貼付時に皮膚発赤,表皮剥離が問題となることがある.今回我々はL-ゲルと共に,アミド型局所麻酔剤を使用した10%ジブカインゲル(以下,D-ゲルと略)を用いて臨床応用を試みた. (1)基礎実験:健康なボランティアを対象.擦過傷のない片側前腕にL-ゲル・D-ゲルをそれぞれ約0.3gをテガダームTMを用いて密封貼付した.1)pin-prick testによりanesthesia発現時間を測定した.両ゲルともに60〜90分を要した.2)貼付を2,5,12,24時間に設定.除去後の効果持続,表皮の変化を測定した.両ゲルとも除去60分までは知覚低下(5/10以下)が持続した.除去時の表皮の状態は異なっていた(L-ゲル;表面凹凸のある白い隆起面,D-ゲル;薄い紅斑).L-ゲル除去後,表皮剥離が認められた. (2)臨床応用:12症例(PHN8,CRPS4)のアロディニア改善を目的にL-ゲル(6),D-ゲル(10)を患部に貼付した.12症例中4例(PHN2,CRPS2)は,時期を変え両ゲルを使用し同一症例で比較を行した.貼付中アロディニアが半減したのは,L-ゲル2例(2/6),D-ゲル8例(8/10)であった.両ゲルを使用した4例のうち,2例(PHN1,CRPS1)はD-ゲル使用時のみ疼痛が半減した.1例(PHN)は鎮痛効果に差はなかったが,L-ゲル使用後水疱形成を生じ使用を中止した.他の1例(CRPS)はともに無効であった.貼付後の発赤・表皮剥離・色素沈着は両ゲルともに認められた. 結論:L-ゲルよりも,D-ゲルの方がアルディニア改善に有用と思われた.
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