1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト前立腺癌細胞株の基底膜浸潤に対する各種神経ペプチドの影響に関する研究
Project/Area Number |
10671464
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
永川 修 富山医科薬科大学, 医学部, 講師 (00217978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布施 秀樹 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (40143292)
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Keywords | 神経ペプチド / 前立腺癌 / 浸潤 / GRP / CGRP / Pancreastatin / Substance P |
Research Abstract |
前立腺に存在が確認されている10種類以上の神経ペプチドについて、PC-3ヒト前立腺癌細胞を含む数種類の前立腺癌細胞株の基底膜浸潤への影響を調べた。浸潤能に影響を与えた神経ペプチドについては、さらにその作用機序の解析のために(1)ファイブロネクチンに対する接触移動能、(2)MMPとu-PAの活性の測定(gelatin zymography,fibrin zymography)、(3)細胞接着能、(4)細胞増殖能への影響を調べた。 各種神経ペプチドのうちGRP(gastrin-releasing peptide)、CGRP(calcitonin gene-related peptide)、pancreastatinがPC-3の基底膜浸潤を亢進させ、逆にSP(substance P)はPC-3の基底膜浸潤を抑制した。その作用機序は主に運動能の亢進または抑制によるものであった。しかし pancreastatinはPC-3の運動能の亢進以外にu-PAの産生の亢進も認めた.PC-3以外の前立腺癌細胞でもDU-145ヒト前立腺癌細胞においてGRP、CGRP、pancreastatinは浸潤能の亢進並びに運動能の亢進を認めた。PC-3の基底膜浸潤能に影響を与えなかった神経ペプチドのうちPTH-rP(parathyroid hormone-related protein)が、Du-145の能浸潤の亢進を認めた。以上の結果より前立腺に存在する一部の神経ペプチドが、前立腺癌の浸潤能に影響を与えていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)