1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト前立腺癌細胞株の基底膜浸潤に対する各種神経ペプチドの影響に関する研究
Project/Area Number |
10671464
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
永川 修 富山医科薬科大学, 医学部, 講師 (00217978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布施 秀樹 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (40143292)
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Keywords | 前立腺癌 / 浸潤 / 神経ペプチド / クロモグラニンA / パンクレアスタチン |
Research Abstract |
【目的】chromogranin A(CgA)は、内分泌細胞や神経細胞の分泌顆粒に広範囲に存在する糖タンパクでpancreastatinやvasostatinなどのホルモンや神経ペプチドの前駆体としても知られている。前立腺癌組織においては、neuroendocrine cellに認められ,それらのマーカーとしても用いられているが,癌細胞にどのような影響を与えてるかは不明である。今回我々は、CgA fragmentのひとつであるpancerastatinの前立腺癌細胞の浸潤能への影響をin vitroにおいて検討した。 【実験方法】10^<-10>M〜10^<-6>Mの濃度のCgA fragment(286-301)を前立腺癌細胞PC-3,DU-145,LNCaPに作用させ,基底膜浸潤実験(Haptoinvasion)を行った。またその作用機序の解析のためにフィブロネクチンへの接触移動能(Haptotaxis),フィブロネクチンやラミニンへの接着能,ゼラチンザイモグラフィー,フィブリンザイモグラフィー,細胞増殖能などへの影響について検討した。 【結果】CgAは,PC-3とDU-145の基底膜浸潤能を有意に亢進させがLNCaPの浸潤能には影響を与えなかった。その作用機序は主に接触移動能の亢進並びにu-PAの産生の亢進によるものであった。またRT-PCRにてu-PAのm-RNAの発現亢進も認めた。しかし接着能や細胞増殖能には影響を与えなかった。以上よりCgAは、前立腺癌の浸潤能に影響を与えている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)