1998 Fiscal Year Annual Research Report
尿路・性器感染症由来ニューキノロン剤耐性菌における耐性機構の分子成物学的解析
Project/Area Number |
10671466
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
出口 隆 岐阜大学, 医学部, 教授 (40163935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 好則 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (90281055)
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Keywords | ニューキノロン剤耐性菌 / DNA gyrase / topoisomerase IV |
Research Abstract |
岐阜大学医学部泌尿器科学教室で1988年より尿路・性器感染症患者から分離されたStaphylococcus epidermidisのニューキノロン剤(norfloxacin、ofloxacin、ciprofloxacin)に対する感受性の測定を行い、ニューキノロン剤耐性菌の年次的変化を検討した。さらに、S.epidermidis臨床分離株のニューキノロン耐性におけるgyrAおよびparC遺伝子の変異とキノロン耐性化との関連を明らかにするために、S.epidemidisのtype strainのDNA gyraseを構成するGyrA蛋白をコードするgyrA遺伝子およびDNA topoisomerase IVのParC蛋白をコードするparC遺伝子のキノロン耐性決定領域の塩基配列を決定し、S.epidemidisの臨床分離菌株におけるこれら遺伝子のキノロン耐性決定領域における点突然変異を検討した。ニューキノロン剤に対して感受性の低下に従って、まずParC蛋白のSer-80にアミノ酸変化が出現し、耐性度が増すに従ってGyrA蛋白のSer-84にアミノ酸変化が加わった。さらに耐性度が増すに従って、ParC蛋白のAsp-84にアミノ酸変化が見られ、さらにciprofloxacin の最小阻止濃度が100μg/ml以上を示す菌株では、GyrA蛋白のGlu-88の変化が加わった。これらの検討よりS.epidermidisにおいてはnorfloxacin、ofloxacin、ciprofloxacinなどのニューキノロン剤に対してはtopoisomerase IVがprimary targetとなることが示唆された。さらに、S.epidermidis臨床分離株のニューキノロン耐性におけるgyrAおよびparC遺伝子の変異とキノロン耐性化との関連が明らかにされた。
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Research Products
(1 results)