2000 Fiscal Year Annual Research Report
尿路・性器感染症由来ニューキノロン剤耐性菌における耐性機構の分子生物学的解析
Project/Area Number |
10671466
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
出口 隆 岐阜大学, 医学部, 教授 (40163935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 好則 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (90281055)
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Keywords | ニューキノロン剤 / キノロン剤耐性 / gyrA遺伝子 / parC遺伝子 / 淋菌 / Mycoplasma genitalium |
Research Abstract |
平成11年度に現在本邦で問題となっているキノロン耐性淋菌について基礎的な検討を行った。キノロン感受性株をnorfloxacin添加培地で培養を繰り返し、norfloxacin耐性菌を選択し、それらの耐性菌についてgyrA遺伝子あるいはparC遺伝子の解析を行った。In vitroで選択されたnorfloxacin耐性菌は他のキノロン剤に対して交差耐性を示し、これら耐性菌においてもキノロン耐性淋菌臨床分離株で認められたと類似のgyrA遺伝子あるいはparC遺伝子の変化が認めれられ、さらに、今回の検討でキノロン剤耐性化の過程でgyrA遺伝子の変異が最初に起こることを明らかにした。すなわち、淋菌のgyrA遺伝子の変異を検出することによりキノロン剤耐性の予測が可能であることが示唆された。そこで、平成12年度からgyrA遺伝子の変異の迅速検出法を確立し、臨床検体からの淋菌の検出と同時にキノロン剤耐性の予測を行った。 本年度は、さらにChlamydia trachomatisおよびMycoplasma genitaliumを起炎菌とする尿道炎に対するニューキノロン剤の臨床的効果を検討した。C.trachomatisによる尿道炎ではニューキノロン剤無効例を認めなかったが、M.genitaliumによる尿道炎では無効例を認めた。無効例におけるM.genitaliumのgyrA遺伝子およびparC遺伝子の解析を行い、parC遺伝子に変異を認めた。M.genitaliumの一部において標的酵素の変異によるキノロン剤耐性株が既に出現している可能性を示唆した。
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