1998 Fiscal Year Annual Research Report
腎臓結石の細胞培養系モデルの確立および結石形成関連遺伝子の単離とその発現
Project/Area Number |
10671467
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
内藤 恭久 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (10107815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椙村 春彦 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00196742)
大田原 佳久 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80124717)
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Keywords | 腎結石 / カルシウムイオン / MDCK細胞 / 細胞培養 / 泌尿器 |
Research Abstract |
(1) 結石形成に関与するCa^<2+>flux動態の検討:腎臓における結石形成部位には定説がないので細胞培養系によるCa^<2+>fluxの動態検索し、微小結石形成部位の検討をおこなった。方法は二層培養法により、MDCK細胞のapical側とbasal側に種々の組み合わせによるCa^<2+>濃度勾配(0.3mM〜3mM)を作製し、ca^<2+>の移動を検索した。結果は、MDCK腎細胞がCa^<2+>を能動的にapical側からbasal側に移送することが明らかとなり、尿中のCa2^+が何らかの異常を来した腎尿細管上皮による基底側への移送亢進が生じており、既に報告したごとく(Naito,Y.,et al.:Urol.Res.,25:59-65,1997.)腎尿細管上皮の基底部での微小結石形成を惹起することが示唆された(現在、論文作製中)。 (2) 蓚酸カルシウム結石形成試験:Collagen gel培養法にて、MDCK細胞にsodium oxalate,ascorbicacid,sodium glycolateおよびethylene glycol(1M以下の濃度勾配)により、培養60日後に蓚酸カルシウム結石の検索をおこなった。前2薬剤では、本結石は形成されず、リン酸カルシウム結石のみであった。後2薬剤については現在分析中である。また、蓚酸代謝系に関連するTCA回路の遮断、VB1(チアミン)活性抑制なども併せて検討中である。 (3) 結石関連遺伝子のスクリーニング:MDCK細胞60個からクローン細胞を採取し、その中から1株のみ非結石形成クローンを得たので、3'primerはT1MAを5'primerはAp-6〜Ap-10を用い、differentialdisplayの定法により遺伝子スクリーニングを行っている。
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