1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671468
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
林 宣男 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (70198852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木瀬 英明 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (80293786)
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Keywords | Epithelial-stromal interaction / cytodifferentiation / Prostatic cancer / Bladder cancer |
Research Abstract |
ヒト膀胱癌細胞に対する胎生期間質の分化誘導能を調べるために、胎生17日目のラット泌尿生殖器洞間質とヒト膀胱癌細胞株(T-24)との組織組み替え実験を行った。組み替え組織は、1か月から2か月の間、雄性胸腺欠損マウスの賢被膜下に移植され、in vivoで培養された。この実験により、未分化な移行上皮癌であり腺管構造を示さないT-24は、円柱上皮細胞からなる巨大な腺管構造を有するようになった。この細胞分化に細胞周期関連蛋白が関与しているか調べたが、p21、p27、cdk2、cdk4の発現はみられなかった。分泌機能に対する分化誘導能を調べるために、前立腺特異抗原(PSA)の発現を調べた。PSAは、T-24ヒト膀胱癌細胞では発現がみられなかったが、腺管を構成する上皮細胞が高円柱上皮細胞に分化している部位に、散在的に発現を認めた。増殖能に対する分化誘導能を調べるために、BrdUを用いたLabeling indexを求めた。Labeling indexにおいて、分化した円柱上皮はT-24ヒト膀胱癌細胞やラット胎生期膀胱間質(誘導能が弱いと考えられている)とT-24との組織組み替えより有意に低下していた。ヒト膀胱癌も胎生期間質により、上皮-間質細胞間相互作用を介した分化誘導が、形態・分泌機能・増殖能において示唆された。 この結果から、前立腺癌と同様にヒト膀胱癌の治療に対して、胎生期間質より発現する分化誘導因子により分化誘導治療の可能が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N.HAYASHI,et al.: "A new staging criterion for bladder carcinoma-using gadolinium-enhanced magnetic resonance imaging with an endorectal surface coil"B.J.U.International. 85. 32-36 (2000)
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[Publications] N.HAYASHI,et al.: "Prospective study of neoadjuvant therapy with goserelin acetate for localized prostate cancer"Nishinihon J.Urol.. 61. 669-673 (1999)
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[Publications] 林 宣男、他: "局所浸潤性膀胱癌に対する阻血動注化学療法"泌尿紀要. 45. 139-143 (1999)
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[Publications] H.Kise: "Paravesical granuloma after inguinal herniorrhapy"Urol.Int.. 62. 220-222 (1999)