1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671481
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西尾 俊治 愛媛大学, 医学部, 助教授 (20136328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 英信 愛媛大学, 医学部, 教授 (40108379)
武田 肇 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (80294792)
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Keywords | 尿路結石症 / オステオポンチン / プロトロンビンF1 / 結晶形成抑制 / α_2-HS糖蛋白 |
Research Abstract |
尿路結石発生に強く関与する尿中特異的蛋白質(α2-HS糖蛋白、オステオポンチン、プロトロンビンF1)を尿中から抽出するとともに蓚酸カルシウム結晶形成に及ぼす影響について検討した。 [方法]健康成人男性尿60Lから尿中燐酸カルシウム結晶付隨蛋白を460mg収集した。さらにイオン交換クロマトグラフィーをもちいて分離し、a2-HS糖蛋白60mg、オステオポンチン24mg、プロトロンビンF116mgを抽出収集した。蓚酸カルシウム結晶形成抑制効果の検討は人工尿にて蓚酸カルシウムを形成する際にそれらの物質を添加することにより測定した。結晶形成方法はcontinuous flow system (MSMPR法)を用い、結晶の大きさ、数はコールターカウンターにより測定した。また接続のコンピューターを用いて形成された結晶の結晶成長率、結晶核形成率、総結晶量を求め、添加しなかったコントロールと比較検討した。 [結果]結晶形成抑制効果はオステオポンチンが最も強く、次にプロトロンビンF1、a2-HS糖蛋白の順であった。オステオポンチンとプロトロンビンF1は反応液濃度0.5μg/mlにおいて約30%の結晶成長抑制効果を示したが、α2-HS糖蛋白は10μg/mlにおいて約20%の抑制効果を示した。 [考察と今後の展望]オステオポンチンとプロトロンビンF1は今まで報告されていた尿中抑制物質の10から100倍の強い抑制効果を有していることが判明した。以上よりオステオポンチンとプロトロンビンF1の尿中排泄量の検討が重要であることから尿路結石患者尿と正常人尿における検討を次におこなう予定である。
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