1998 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺がんの骨転移における骨形成蛋白質および受容体の関与
Project/Area Number |
10671484
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
竹原 俊幸 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40295217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井手 久満 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00301383)
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Keywords | 前立腺癌 / 骨形成蛋白質 / 骨形成蛋白質受容体 / 骨転移 / アンドロゲン |
Research Abstract |
我々はこれまで、骨基質中に豊富に含まれ、強力な骨形成誘導因子である骨形成蛋白質(BMP)/BMP受容体(BMPR)信号伝達系の前立腺がんにおける生物学的関与を検討してきた。アンドロゲン感受性の前立腺がん細胞株LNCaPにおいて、リコンビナントBMP-2はアンドロゲン存在下では、増殖抑制効果を示したが、アンドロゲン非存在下では増殖促進効果を示した。また、このときBMPRの中で、アンドロゲンによりその発現が増加している受容体はBMPR-IBのみであった。以上の結果から、BMP-2の生物学的効果の違いはBMPR-IA、-IBが少なくとも前立腺がん細胞において、それぞれ増殖促進、抑制と、相反する増殖制御信号を伝達する可能性がある。現在、constitute activeおよびdominant negative型のBMPR-IA,-IB発現ベクターを作製し、これらを強制発現させた前立腺がん細胞株を作成中である。また、前立腺がん組織における骨形成蛋白質およびその受容体の発現を検討するため、免疫組織学的検討を行った。ヒトのBMPR-IA、-IBの細胞外ドメインに対する合成ペプチドを作成し、ウサギを用いてこれらに対するポリクローナル抗体を作製した。前立腺がん生検組織を用いて免疫組織化学染色を行ったところ、予備的な結果ではあるがBMPR-IBの発現が、正常前立腺細胞および前立腺がん細胞にみられた。現在さらにWestern blotting法を用いて抗体の検定、ならびに前立腺がん全摘出標本における免疫組織化学的検討を進めている。
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