1999 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺がんの骨転移における骨形成蛋質および受容体の関与
Project/Area Number |
10671484
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Research Institution | Miyazaki Medical College Gant-in-Aid for Scientific Research |
Principal Investigator |
竹原 俊幸 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40295217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 正史 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (90295220)
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Keywords | 前立腺がん / 骨形成蛋白質 / 骨形成蛋白質受容体 / 骨転移 / アンドロゲン |
Research Abstract |
骨形成蛋白質(Bone morphogenic protein:BMP)は骨基質中に存在し、異所性骨形成を誘導する蛋白性因子として分離、同定された。そのBMPの受容体としては、2つのI型受容体(BMPR-IA,-IB)と1つのII型受容体(BMPR-II)が知られている。一方、前立腺がんは高率に骨転移をきたし、その多くが特徴的な骨硬化像を示す。本研究において、我々はBMP/BMPR信号伝達系の前立腺がんにおける生物学的関与を検討してきた。その過程において、BMPの受容体の1つであるヒトBMPR-IBのcDNAをクローニングした。また、FISH法、Radiation Hybird Mapping法を用いて、BMPR-IAは10q22.36に、BMPR-IBは4q23ー24に位置することを示した。BMPー2の前立腺がんにおける増殖効果としては、アンドロゲン感受性の前立腺がん細胞株LNCaPにおいて、BMP-2はアンドロゲン存在下では増殖抑制効果を示したが、アンドロゲン非存在下では増殖促進効果を示した。またこのとき、BMP受容体中、BMPR-IBのみが、アンドロゲンによりその発現が増加していた。以上の結果からBMPの増殖効果において、BMPRーIA、-IBが前立腺がん細胞において、それぞれ増殖促進、抑制効果と相反する増殖制御信号を伝達する可能性がある。現在、BMP受容体に対する抗体を用いて、蛋白レベルでの前立腺がん臨床検体におけるBMP受容体の発現と局在の検討を試みている。
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