1998 Fiscal Year Annual Research Report
生殖細胞特異的 Zinc フィンガー遺伝子を用いた特発性男子不妊症の遺伝子診断
Project/Area Number |
10671487
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
武田 光正 横浜市立大学, 医学部・付属病院, 講師 (70244499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂坂 正彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30106330)
野口 和美 横浜市立大学, 医学部・付属病院, 助教授 (10164675)
斎藤 和男 横浜市立大学, 医学部・付属病院, 助手 (90264647)
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Keywords | Zincフィレガー遺伝子 / 生殖細胞 / 精子形成 / 特発性不妊症 |
Research Abstract |
精原細胞から精子にいたる各種生殖細胞系列において、すでに多くの遺伝子が報告されているものの、その大部分は体細胞においても発現しており生殖細胞に特異的に発現しているものは少ない。我々はすでにセミノーマのcDNAライブラリーより、セミノーマおよび精巣にて特異的に発現しているZincフィンガー遺伝子であるZFS-1をクローニングしている(Cancer Genet Cytogenet,1997)。ZFS-1は3'側の部分配列しか分かっておらず、今回我々は、ZFS-1をプローブとしてヒト精巣のcDNAライブラリーをスクリーニングし5'側クローンP-511を得た。さらにP-511の5'側をプローブとして上流部分を含むクローンSF5-1が得られた。当初より、ZFS-1の塩基配列の検討からBellefroid等の報告している、ZNF91KRABzincフィンガー遺伝子ファミリーに属していると考えられたが、5'側クローンP-511.SF5-1の塩基配列を検討した結果これらの遺伝子はKRAB zincフィンガー遺伝子ファミリーに特有のKRABドメインを有し、開始コドンを含むことが確認された。5'側クローンP-511,SF5-1および3'側クローンZFS-1の塩基配列から最終的に全長塩基配列2371塩基対を決定し、この遺伝子をTSF(Testis Specific zinc Finger gene)と命名した。TSFは595アミノ酸をコードし、N末端側にKRABドメインをC末端側にZincフィンガーを有し、間にスペーサー領域を持ち、ZNF91KRAB zincフィンガーファミリーの特にZNF85と高い相同性を持つことが判明した(平成10年、第86回日本泌尿器科学会にて発表)。
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