1999 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜の妊孕機能に関わる一酸化窒素(NO)の意義-子宮内膜症を中心に
Project/Area Number |
10671512
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
太田 博孝 秋田大学, 医学部, 助教授 (90152149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 俊誠 秋田大学, 医学部, 教授 (40002216)
五十嵐 信一 湖東総合病院, 産婦人科, 科長(研究職)
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Keywords | 子宮内膜症 / 子宮腺筋症 / 子宮内膜 / 一酸化窒素(NO) / NO合成酵素 / 着床 / 子宮 / 妊孕能 |
Research Abstract |
【目的】子宮内膜局所で産生される一酸化窒素(NO)の意義について検討した。臨床的には、子宮内膜症および子宮腺筋症の正所性および異所性子宮内膜を用いて検討した。基礎的には、過剰のフリーラジカルによる妊孕能への影響をマウスを用いin vivoで検討した。 【方法】(1)正常婦人、子宮内膜症および子宮腺筋症における正所性、異所性子宮内膜の血管内皮型NO合成酸素(eNOS)のmRNAの発現をみるため、eNOSmRNA probeによるNorhtern blotとIn Situ Hybridization(ISH)を行った。(2)着床期における高、低NO環境のマウス妊孕能への影響を検討した。高NO群としてNO供与剤であるモルシドミンを、低NO群としてNOS阻害剤であるL-nameを使用した。各薬剤を妊娠2日目より5日目まで1日2回、7回腹腔内に投与した。妊娠第14日目に、妊娠率、生存胎仔数と吸収胎仔数を観察した。 【結果】(1)ヒト正所性子宮内膜でeNOSmRNAは子宮内膜機能層の腺上皮や被葢上皮に幅広く分布していた。子宮内膜症や子宮腺筋症の異所性子宮内膜においても特異的に腺上皮に発現していた。(2)マウスで妊娠率は対照群で100%であり、高NO群、低NO群では用量依存性に低下した。妊娠5日目の子宮組織所見のうち、高NO群(60mg/kg)では子宮内膜脱落膜化の遅延、低NO群(6mg/kg)では脱落膜細胞の機能不全が認められた。 【独創点】(1)子宮内膜症や子宮腺筋症の異所性内膜でeNOSmRNAは月経時期を通じ発現していることを初めて報告した。(2)NOは受精卵の着床過程における子宮内膜側の調節因子の一つであることを明らかにした。高濃度のフリーラジカルは子宮内膜微小環境を変化させ妊孕能を低下させることを証明し、その成果を英文原著論文で発表した。(3)子宮内膜症におけるフリーラジカルの関与について英文総説で発表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 畑沢淳一、他: "子宮内膜症における血管内皮型NO合成酵素(eNOS)の発現について"エンドメトリオーシス研究会会誌. 20. 129-132 (1999)
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[Publications] Ota, H. et al.: "Endometriocis and free radicals"Gynecol Obctet Invest (suppl). 48. 29-35 (1999)
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[Publications] Ota, H. et al: "Optimal levels of nitric oxide are crucial for implantation in mice"Reprod Fertil Develep. 11(in press). (1999)