1998 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜および胚におけるエストロゲン受容体サブタイプの機能解析
Project/Area Number |
10671515
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
百枝 幹雄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50221627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 治 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60134574)
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Keywords | 子宮内膜 / 胚 / エストロゲン受容体 |
Research Abstract |
本研究は胚および子宮内膜におけるエストロゲン受容体(ER)サブタイプ(α・β)の発現様式および機能解析を目的とする。第1に発現様式に関しては、胚の成熟の各段階においてエストロゲン受容体各サブタイプが現れる時期の解析、およびその後の発現量変化について調べ、第2に胚一子宮内膜間の相互作用におけるエストロゲン受容体サブタイプの機能の差について解析する研究計画に基づいて実験を行った。そこで、本年度は子宮、卵巣、卵および初期胚において各生殖周期におけるERα・β各々の発現を検討した。 まず、エストロゲン受容体サブタイプの抗体を家兎を用いて作成した。このポリクローナル抗体を用いて、ラットの子宮および卵巣におけるERα・βの局在を免疫組織化学により分析したところ、ERαは子宮内膜上皮細胞および腺上皮細胞のいずれの細胞においても存在が確認されたのに対し、ERβは腺上皮細胞の核のみに存在していた。また、卵巣においては、顆粒膜細胞にERβの存在が確認されたが、ERαは認められなかった。さらに、顆粒膜細胞のERβはproestrous、metestrousおよびdiestrousにのみ認められ、estrousには認められなかった。 次に、マウス受精卵および初期胚におけるERα・βの発現をRT-PCR法を用いて検討した。その結果、ERα・β共に4細胞期まではおそらく母体由来のmRNAを保持しており、胚盤胞以後に胚由来のmRNAが発現されることが明らかとなった。 以上のデータは、すでに論文発表ないし投稿を終えており、現在、胚-子宮内膜間の相互作用におけるエストロゲン受容体サブタイプの機能の差についての解析が進行中である。
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Research Products
(1 results)