1999 Fiscal Year Annual Research Report
SolubleIGF-Iレセプターによる婦人科癌細胞アポトーシス誘導-婦人科癌遺伝子治療
Project/Area Number |
10671544
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本郷 淳司 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (10301293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野内 光夫 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (50261235)
宮木 康成 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (10273989)
児玉 順一 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (90263582)
工藤 高文 岡山大学, 医学部, 教授 (90127556)
奥田 博之 岡山大学, 医学部, 教授 (30033286)
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Keywords | IGF-Iレセプター / IGF-I / アポトーシス / 形質転換能 / 腫瘍形成能 |
Research Abstract |
1)まずIGF-Iレセプター遮断の効果を婦人科癌で検討するため、ヒト子宮頚癌由来のSiHa,HeLa S3,C33A各細胞にIGF-Iレセプターに対するアンチセンスmRNA発現ベクターを恒久的に遺伝子導入したクローンを作成し検討した。HPVのステータスが事なる3種の細胞全てにおいて、単層培養での増殖能を軽度に抑制し、足場非依存性増殖能とヌードマウスでの腫瘍形成能を著しく抑制する事を実証した。この成果は第90回アメリカ癌学会で発表し、Cancer Research誌に掲載された。 2)次にbystandar効果が期待され、アンチセンスよりも臨床応用の上でより有用と考えられるSoluble IGF-Iレセプターの検討に移った。ヒト卵巣癌由来のCaOV-3細胞にSoluble IGF-Iレセプターを恒久的に遺伝子導入したクローンを作成した。遺伝子導入クローンではSoluble IGF-Iレセプターはcell lysateとconditioned mediumの両者より約70kDaの蛋白として検出された。Soluble IGF-Iレセプター導入クローンの足場非依存性増殖能は著明に抑制され、また各クローンから得たconditioned mediumより作成した軟寒天培地に親細胞を植えたところ、強力なbystandar効果を認めた。ヌードマウス皮下移植では、導入クローンの腫瘍形成能は失われ、親細胞と共培養するとin vivoでもbystandar効果を認めた。各クローンのpaclitaxel感受性をコロニー形成試験にて検討したところ著明に増強された。導入クローンではpaclitaxel接触によりアポトーシスを生ずる細胞の率が有意に高く、IGF-Iレセプターが本来有する抗アポトーシス作用がSoluble IGF-Iレセプターにより阻害された為と考えられた。これらの結果は第5回国際IGFシンポジウムで発表し、現在投稿中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kiichiro Nakamura, Atsushi Hongo, et al.: "Down-Regulaton of the Insulin-like Growth Factor I Receptor by Antisense RNA Can Reverse the Transformed Phenotype of Human Cervical Cancer Cell Lines"Cancer Research. 60. 760-765 (2000)