1998 Fiscal Year Annual Research Report
円形精子細胞を顕微受精した卵に対する活性化に関する研究
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10671549
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山野 修司 徳島大学, 医学部付属病院, 講師 (30166772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 淳子 徳島大学, 医学部付属病院, 医員(臨床)
檜尾 健二 徳島大学, 医学部付属病院, 医員(臨床)
中川 浩次 徳島大学, 医学部付属病院, 医員(臨床)
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Keywords | 卵の活性化 / 卵細胞質内精子注入法 / 染色体 |
Research Abstract |
1. 卵の活性化 (1) ヒト卵の活性化:体外受精で未受精に終わった卵46個を5μMのカルシウムイオノフォアA23187(Ca-I)で5分間処理した後、引き続き蛋白リン酸化阻害剤puromycin(10μg/ml)で5時間活性化することにより、91.3%(42/46)の活性化率を得た(Ca-Iのみの活性化では活性化率は20%(8/40))。活性化卵42個のうち34個は第2極体の放出を伴う1個の前核を持つ活性化卵(1PN2PB卵)であった。この方法で得られた1PN2PB卵12個に染色体検査を施行したところすべてhaploidであった。 (2) マウス新鮮卵の活性化:131個の新鮮マウス卵(hCG投与後13時間)を(1)と同様の方法で活性化した。 90.1%(118/131)の卵が活性化され(Ca-Iのみ:8.0%(8/100))、その活性化卵118個のうち108個では第2極体の放出を伴う1個の前核を持った活性化卵(1PN2PB卵)であった。この方法で得られた1PN2PB卵の前核中の染色体数はhaploidであり、DNA含量はMIIplate上の染色体のDNA含量の半分であった。 2. ヒト卵細胞質内精子注入法(ICSI)施行の未受精と判定された卵の検討 ヒトICSI施行後、未受精と判定された卵をHoechst33342で検討したところ、第2減数分裂中期の卵の77.8%で卵細胞質内に精子を認めた。その内の61.9%は卵の活性化が不十分なため未受精に終わったと考えられた。 3. ヒト卵細胞質内精子注入法(ICSI)施行後の未受精卵の活性化の効果 ヒトICSI施行18時間後に未受精と判定された卵を(1)と同様の方法で活性化した結果、83.5%の卵が活性化された。その活性化卵のうち27.8%で雌雄両前核の形成ならびに第2極体の放出が認められた(2PN2PB卵)。得られた2PN2PB卵の65.4%が分割した。また、得られた2PN2PB卵1個に染色体検査を行ったところ染色体数は46本と正常であった。
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