2000 Fiscal Year Annual Research Report
子宮癌及び卵巣癌におけるサイクリン依存性酵素2の活性制御機構に関する研究
Project/Area Number |
10671550
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Research Institution | KAGAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大野 正文 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (40213821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 勝良 香川医科大学, 医学部, 助手 (80322270)
徳田 雅明 香川医科大学, 医学部, 教授 (10163974)
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Keywords | cyclin E / cyclin D1 / p27 / Cdk2 / 卵巣癌 / 細胞増殖 / 悪性度 |
Research Abstract |
ヒト卵巣癌におけるサイクリン依存性酵素2(CDK2)の活性制御機構に関する研究として,本年度は以下のような結果を得た。 1 103例の卵巣癌のパラフィン切片を用いてCdk2以外に、CDK4,cyclin D1,cyclin E,p27,p16,に対してそれぞれ特異的な抗体により免疫組織染色を行った。その結果として、CDK4とp16との間に逆相関があることが判明した。 CDK4は、良性腫瘍<境界型悪性腫瘍<悪性腫瘍の順で発現量の増加が確認され統計学的に有意であった。 またp16に関しては,良性腫瘍<境界型悪性腫瘍<悪性腫瘍の順で発現量の減少が確認され,これも統計学的に有意であった。 2 新鮮なヒト卵巣癌を用いたWestern blot解析では、p16量は悪性化と共に減少したが、CDK4の量は有意な変化がなかった。 3 CDK4活性は悪性化と共に有意な増加を示した。 4 p16のダウンレギュレーションはGrade2,及びGrade3においての方が、Grade1やborderlineに比べて高頻度に起こっていた。 以上より、p16のダウンレギュレーションは卵巣癌の悪性化との関連が深く,その結果としてCDK4に対する抑制活性が低下するために、癌においてはCDK4活性が相対的に高くなることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sui L: "Inverse expression of Cdk4 and p16 in epithelial ovarian tumors."Gynecol Oncol. 79・2. 230-237 (2000)
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[Publications] Kuwabara H: "Uterine adenomyoma of endocervical type."Pathol Int. 49・11. 1019-1021 (2000)
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[Publications] Tamura N: "Enhanced expression and activation of Ca(2+)/calmodulin-dependent protein kinase IV in hepatocellular carcinoma."Cancer. 89・9. 1910-1916 (2000)
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[Publications] Dong Y: "Prognostic significance of cyclin E overexpression in laryngeal squamous cell carcinomas"Clin Cancer Res. 6・11. 4253-4258 (2000)