1998 Fiscal Year Annual Research Report
理想的なHRTをもとめて-エストロゲン全身投与、黄体ホルモン経膣投与法の基礎的研究
Project/Area Number |
10671564
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
本庄 英雄 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30110852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 一範 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40295671)
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Keywords | 黄体ホルモン / 膣錠 / エストロゲン / ホルモン補充療法 / アルツハイマー病 / うつ状態 / 子宮体癌 / 性器出血 |
Research Abstract |
子宮を有する患者に対しHRTを長期間行う際、卵胞ホルモンに加え、子宮体癌予防、性器出血の予防の目的で、黄体ホルモンを併用する。後者の新しい投与法として、プロゲステロン(P)腟錠を検討した。 1, P腟錠の作成 H15:P注50mgとホスコH15:1.2gより E85:同注50mgとウイテプゾールE-85:1.32gより RE:P試薬50mgとホスコH-15:1.2gより各々作成した。 2, 単回投与試験:子宮全摘術予定の患者計9名に対し説明、同意文書を得た上、2名にはEl5を、7名にはE85各々1錠を子宮摘出前に挿入した。うち、閉経後のもの1名と、GnRHアゴニストにより偽閉経療法中のもの7名における投与前、および投与2/4/8/24時間後の血清中濃度は0.32/4.53/3.57/3.02/l.39ng/ml(平均)であった。筋層内P濃度は2-54ng/g(範囲)で、最高血清中濃度の0.63-5.93倍であった。このことから腟錠投与により、血中濃度は2ないし8時間後に最高となり、Pは子宮へ良好に移行することがわかった。 3, 頻回投与:11名に同意文書を得た上でHRT周期計34周期に投与した。9名はMPAを含むHRTをうけた既応があり、うち7名はMPA服用中にうつ状態などの副作用を訴えていた。腟錠は28日中10日間投与を原則とした。H-15(4周期)においては融点が低すぎたため柔らかく、使用に難があった。E-85(15周期)においては硬さは十分であったが、帯下などの不快感がみられた。RE(15周期)の使用感は好評であった。10日間の投与終了前に出血が開始したものも見られたが、多くは投与終了後1日か6日後に開始し、3-10日持続した。うつなどの全身症状はMPAに比し少なく、HRTにおけるP腟錠使用は有用であった。
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