1998 Fiscal Year Annual Research Report
顕微授精における形態良好精子のFISH法による質的検討
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10671578
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
星合 昊 近畿大学, 医学部, 教授 (50111290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 洋治 近畿大学, 医学部, 講師 (70229748)
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Keywords | swim up / percoll / FISH / 染色体異常 / ART |
Research Abstract |
(目的および方法)体外受精-胚移植術は不妊症診療の成績向上に大きく寄与してきた。最近では、顕微授精法までもが一般臨床にまで広く応用されている。精子の調整法にはswim up法とpercoll法が広く行われているが、、調整された個々の精子の質的な検討は行われていないまま、実施者の任意により選択された精子が使用されているのが現状である。今回FISH法を用いた精子の性染色体の異常率、および光学的顕微鏡を用いた精子の形態異常率(奇形率)とFISH法による性染色体異常率との関係を検討した。 (結果および考察)WHOの診断基準では正常精液と診断されるた症例を対象とした。対象精子を通常のswim up法およびpercoll二層法で回収し、各々swim up群・percoll群として無処理群と比較した。swim up群では、x精子47.6%、Y精子52.2%、性染色体異常率0.17%であった。一方swim up後の沈査群では、X精子52.2%、Y精子47.3%、性染色体異常率0.5%であった。swim up群の上清と沈査では、性染色体異常率に有意な差を認めた。percoll群では、x精子50.2%、Y精子49.6%、性染色体異常率0.26%であった。 swim up法とpercoll法により性染色体異常精子は30〜40%は除去されたが、完全に性染色体異常精子を除去できないことが解った。WHOの診断基準により正常と診断される精子を、swim up法とpercoll法により運動良好精子を選択しても、なお性染色体異常は除去できず、顕微授精等の1精子を実施者が選択する治療法には慎重であるべきとの結論を得た。
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Research Products
(1 results)