1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671586
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三輪 高喜 金沢大学, 医学部, 助教授 (20229909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 真人 金沢大学, 医学部, 助手 (50283106)
西村 俊郎 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (80251958)
古川 仭 金沢大学, 医学部, 教授 (40092803)
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Keywords | 嗅細胞移植 / P2 mice / Rosa mice / LacZ / Olfactory marker protein |
Research Abstract |
前年度に引き続き,マウス鼻腔内への嗅粘膜の移植を行った.本年はドナーとしてバージニア州立大学医学部生理学Richard Costanzo教授の供与により,特定の嗅細胞にLcaZを組み込んだtransgenic mice(P2 mice)を用いた.またほとんどの体細胞がLacZを発現するRosa miceを購入しドナーとして移植を行った.ドナーの週齢を出生直後から成熟までの様々な段階で試みた.移植はレシピエントの鼻骨を一旦、摘出した後、鼻粘膜に切れ目を入れて,その部にドナーの鼻中隔粘膜を中隔軟骨も含めて挿入した.移植翌日,1週,2週,4週,8週,12週後にレシピエントの頭部か組織標本を作製した.組織標本は通常のヘマトキシリンエオジン染色の他、LacZ染色,抗olfactory marker protein(OM,)抗体を用いた免疫組織化学染色を行った.その結果,移植翌日では全例,移植組織は残存していたが,1週間後では移植片の残存しない例も認めた.長期間観察後,移植片が残存する例においても,P2マウス,RosaマウスともにLacZ染色で青く染まる嗅細胞は認めなかった.Rosaマウスでは残存した鼻中隔軟骨のみ青く染色された.それらの軟骨を覆う上皮においては抗OMP抗体による免疫染色で陽性所見は認めず,呼吸線毛上皮に置き換わっている可能性が考えられた.過去に分離した嗅粘膜を直接レシピエントの鼻空内で粘膜面に散布して生着を見た報告があり,その方法を応用する価値があるものと思われる.また,残存移植片の周囲には炎症反応が認められるため,抗生物質あるいは免疫抑制剤の併用,あるいは何らかの成長因子の使用も試みる必要があるものと思われる.
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