2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671586
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三輪 高喜 金沢大学, 医学部, 助教授 (20229909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 真人 金沢大学, 医学部, 助手 (50283106)
西村 俊郎 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (80251958)
古川 仞 金沢大学, 医学部, 教授 (40092803)
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Keywords | 嗅細胞移植 / P2 mice / Rosa mice / LacZ / olfactory marker protein |
Research Abstract |
前年度までの経過を基に,引き続きマウス鼻腔内への同種嗅粘膜移植を行った。本年度はドナー,レシピエントともに近交系マウスのC57BL/6を用いて移植を行った。ドナーの粘膜を採取する際に,嗅細胞は軸索切断によって死滅し,移植片には大量の細胞死を迎えた嗅細胞が存在することになる。そこで,あらかじめドナーの嗅球を除去し成熟嗅細胞を変性脱落させ,嗅上皮内には幹細胞である基底細胞と幼弱な嗅細胞,それに支持細胞のみが存在する状態にして移植した。また,一部のドナー粘膜は細切して生着を得られるか手技に工夫を加えた。さらに移植後の拒絶反応を抑制するために,免疫抑制剤であるシクロスポリンを連日投与した。前年度までの研究において,移植されたドナーの鼻粘膜組織は鼻腔内では残存はするものの,嗅細胞は証明できず,呼吸線毛細胞や鼻中隔組織のみが生着していた。そこで,今回は感染のおこりやすい鼻腔内のみならず,外気との接触のない背部皮下にも鼻粘膜を移植し,その残存の有無を観察した。それらの工夫を凝らして移植を行ったが,現段階でドナー細胞の生存ならびに生着を示す所見はへマトキシリンエオジン染色では得られていない。現在,ごく少数でも生存する嗅細胞が残存していないか,olfactory marker proteinを用いた免疫組織学的手法を用いて観察中である。また,同時に異なる条件で移植を行ったマウスについても,逐次,摘出,脱灰を行い最終的な結論を報告する予定である。
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