1999 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部扁平上皮癌患者に対する癌抗原ワクチンに向けての基礎的研究
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10671603
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
江浦 正郎 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (60193984)
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Keywords | 頭頸部癌 / 癌抗原 / CTL / HLA-A24分子 / MAGE-3遺伝子 / p53癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
癌特異抗原MAGE-3は-頭頸部扁平上皮癌の約半数の症例で発現するが、MAGE-3由来のペプチドでHLA-A24分子に高親和性に融合するペプチドM3-p97(TFPDLESEF)は癌細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導できることを1998年度の我々の実験にて証明した。MAGE-3抗原由来のHLA-A24分子結合性ペプチドに関しては我々の同定した上記のペプチドM3-p97とは別に、HLA-A24分子結合性ペプチドM3-p195(IMPKAGLLI)もまたCTLを誘導できると報告されている。そこで今回、我々はこられ2種類のペプチドについてCTL誘導能を比較し、臨床応用を考えた場合どちらのペプチドを使うべきかについて検討した。その結果、両ペプチドはほぼ同等のCTL誘導能、CTL活性を有し、MAGE-3抗原とHLA-A24分子を共に発現する腫瘍においては、どちらのペプチドを用いても同等の有効性が期待できることが示唆された(Jpn.J.Clin.Oncol.2000,in press)。 また頭頸部癌の約60%で遺伝子変異が認められるp53癌抑制遺伝子についても、同様にHLA-A24分子結合性ペプチド(p53蛋白のN末端から125番目から134番目のアミノ酸からなるペプチド)がペプチド特異的CTLを誘導できることを証明した。さらにこのCTLはp53遺伝子変異により変異p53蛋白が細胞内蓄積しているHLA-A24^+頭頸部癌細胞を特異的に傷害することがわかった。(Clin.Cancer Res.2000,in press)。 これらの結果は頭頸部癌における癌抗原特異的免疫療法の可能性を裏付けるものである。
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[Publications] Eura M,et al: "A wild-type sequemce p53 peptide presented by HLA-A24 induces cytotoxic T lymphocytes that recognize squamous cell carcinoma."Clin.Cancer Res.,. (in press). (2000)
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[Publications] Katura F,et al: "Analysisi of individual specific cytotoxic T lymphocytes for two MAGE-3 derived epitopes presented by HLA-A24."Jap.J.Clincal Oncol.,. (in press). (2000)