1999 Fiscal Year Annual Research Report
食道発声者の構音獲得過程の解析とそのリハビリテーションへの応用
Project/Area Number |
10671612
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小池 三奈子 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50276177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 方俊 北里大学, 医学部, 助教授 (00208860)
小林 範子 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30195797)
廣瀬 肇 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80010031)
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Keywords | 食道音声 / 構音動態 / エレクトロパラトグラフィ / リハビリテーション |
Research Abstract |
1.無喉頭者に単音節を発話させ、その録音サンプルについて聴取実験を行った。各音節の同定試験を施行した結果、母音、半母音においては高い正答率を示したが、無声破裂音や「は」行音では比較的正答率が低かった。摩擦音については習熟度の低い症例の正答率がきわめて低い傾向が認められた。 2.食道音声に比較的習熟した無喉頭者の録音サンプルを、食道音声を熟知している言語聴覚士が聴取し音声表記した。全般的に正しく聴取されたが、子音の一部に有声・無声の混乱が見られた。また、無喉頭者にとって生成が困難と言われている/h/が正しく聴取されている被験者と省略や/ζ/に近い歪み音に聴取された被験者がいた。 3.上記の症例についてパラトプレートを作成し、エレクトロパラトグラフィの手法を用いて、舌と口蓋の接触パタンの記録を行った。 4.並行して、エレクトロパラトグラフィ用いた接触パタンと接触時間に関するデータを計算機上で処理するプログラムを開発した。 5.上記の方法を用いて各被験者の構音動態を観察したところ、正しく/h/と聴取された発話者の構音動態は、正常者と大きく異なり舌が奥舌面を中心に口蓋と接触していた。このことから、/h/構音訓練法として/k/に近い口蓋摩擦音を導くという方法が妥当であることが証明された。
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