1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671614
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
市川 銀一郎 順天堂大学, 医学部, 教授 (40053061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳丸 隆太 順天堂大学, 医学部, 助手 (30296876)
新井 顕 順天堂大学, 医学部, 助手 (00255704)
斉藤 秀樹 順天堂大学, 医学部, 助手 (30196000)
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Keywords | 双極子 / 聴性誘発反応 / 聴性脳幹反応 / 聴性中間反応 / 頭頂部緩反応 |
Research Abstract |
非侵襲的に脳内の活動部位を推定する手法である双極子追跡法を用いて聴性誘発反応の起源につき検討を行った。 1. 聴性脳幹反応(ABR)につきマスキングの有無による反応の変化につき検討を行った。得られた双極子はMRI画像上に重ね、より詳細な起源推定を行った。被検耳にマスキング雑音を与えた際のABRのIV波、V波、VI波の双極子はそれぞれ脳梁膝部付近、中脳背側付近、視床前部付近に推定された。マスキング雑音を与えなかった際の双極子はIV波、V波、VI波に明瞭に分離しなかった。 睡眠時と覚醒時においてl000Hzの音刺激を用いて頭頂部緩反応(SVR)を記録した。音刺激後250〜400msecの反応であるN2成分の双極子は睡眠時では、覚醒時に比較してより頭蓋正中よりに起源が推定された。睡眠時における大脳皮質の抑制と大脳辺縁系のふ活化が反映しているのではないかと考えられた。 2. 両耳刺激と片耳刺激をした際の聴性中間反応(MLR)、Pa成分,Na成分につき検討を行った。片耳刺激でのPa成分,Na成分の双極子は側頭部に近似される傾向があった。また、両耳刺激では片耳刺激に比して双極子はより正中に近似される傾向が認められた。 3. 睡眠時と覚醒時において1000Hzの音刺激を用いて頭頂部緩反応(SVR)を記録した。音刺激後250〜400msecの反応であるN2成分の双極子は睡眠時では、覚醒時に比較してより頭蓋正中よりに起源が推定された。睡眠時における大脳皮質の抑制と大脳辺縁系のふ活化が反映しているのではないかと考えられた。 4. SVRのN1成分につき刺激音の周波数を変化させて検討を行った。N1成分の双極子は刺激反対側の側頭部に近似された。音刺激には500.1000.2000.4000Hzの音を用いたが刺激音の周波数が高くなるほど、双極子はより頭蓋内側に推定された。SVRは、周波数特異性のある反応であるといわれており、その関与が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 桜井 淳: "頭頂部緩反応N_1成分の双極子追跡" Audiology Japan. 41. 176-181 (1998)
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[Publications] 中川 雅文: "聴性脳幹反応の等価双極子" Audiology Japan. 41. 52-58 (1998)
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[Publications] 小山 幸子: "双極子追跡法を用いた頭頂部緩反応N_2成分の検討" Audiology Japan. 41. 188-192 (1998)
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[Publications] Yukiko Koyama: "The behavior of equivalent dipole for the N_2 Component of the slow vertex response during arousal and sleep state" Recent Advances in Human Neurophysiology. 286-291 (1998)