1999 Fiscal Year Annual Research Report
耳石器選択刺激及び片側破壊における前庭神経核内Fos蛋白の分布
Project/Area Number |
10671616
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
今川 美登里 東京医科大学, 医学部, 助手 (50074646)
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Keywords | Fos蛋白 / 前庭神経核ニューロン / 耳石器 / モルモット |
Research Abstract |
モルモットの片側または両側の前庭感覚細胞を破壊し、前庭神経核ニューロンおよび脊髄運動ニューロンに発現するFosの分布を調べ、前庭神経の支配を受けるニューロンの特徴を検索し、前庭入力と頭の位置を固定する頸筋運動ニューロンとの関係を調べることを目的とした。 アミノグリコシド系抗生物質(300mg/kg)を生理食塩水に溶かし2週間隔日投与し、前庭感覚細胞を破壊した。生理食塩水のみを投与した動物をコントロール群とした。最終投与後、1週間・経過後動物を灌流固定し、脳幹および脊髄(頸髄)を取り出し、連続凍結切片を作成すし、Fosを検出した。抗生物質投与群とコントロール群では体重増加に明らかな違いを示した。1週間後では投与群・コントロール群とも前庭神経核ニューロンおよび頸髄運動ニューロンのほとんどにFosが発現した。2週間・4週間後では前庭神経核ニューロンで投与群がコントロール群に比べFos陽性ニューロンが多かった。しかし頸髄運動ニューロンに発現するFosは投与群とコントロール群で差はなかった。一方、ネンブタール基礎麻酔下で中耳にアミノグリコシド系抗生物質(20mg)を生理食塩水に溶かし注入し、片側前庭感覚細胞を破壊した。生理食塩水のみを投与した動物をコントロールした。二週間・四週間後動物を灌流固定し、前庭神経核ニューロンおよび頸髄運動ニューロンに発現するFosを調べた。注入側への頭部の傾きが生じたが24時間以内に回復した。破壊側・非破壊側の前庭神経核ニューロンおよび頸髄運動ニューロンでFos発現に差はなかった。
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