1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671618
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
石井 哲夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30082126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 理恵子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10287386)
篠 昭男 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50266798)
高山 幹子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80075481)
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Keywords | メス / 切開 / 力センサー / 張力 / 力学的測定 / ひずみゲージ / 力センシングメス |
Research Abstract |
メスによる切開は諸手術の最も基本的な手技である。本研究の目的はメスによる切開の力学的な解析を行うことにある。このために2つの視点から解析を行う必要がある。1つは2方向の力センサーを装備した外科用メスを用いて切開時の2方向の力を分析すること、他の1つは切開部位にかける張力を切開と同時に測定することである。 切開時の力の測定には平行平仮によるひずみゲージを内蔵した力センシングメスを、また張力の測定には力センシングメスと同じひずみゲージを内蔵した力センサーを作製し力学的に計測する必要がある。 以上のセンサーを使用することによって外科手術における切開の力学的測定を行い、さらに切開の際に必要な条件についても検討を行うことが可能となる。 方法:予備実験として新鮮な牛肉を2軸力センシングメスを用いて切開するが、この時筋線維に垂直と水平の2方向の力を測定した。基礎実験には鶏の肉についても同様に切開を行った。さらに切開方向に直角に張力を掛けることにより、張力と切開力との関係を検討した。また力センシングメスの力と伸展する張力とを同時にモニターにスーパーインポーズし、切開経過と張力との関係をコンピュータにより記録しこの結果を分析した。 結果:牛肉の線維に平行な切開は直角切開より弱い力で切開されることがわかった。切開を開始すると同時に垂直の方向の力が加わり、続いて切開が進につれて水平方向に引く力が上昇し、垂直方向とほぼ均等の力が加わった。この時に直角方向に伸展させる張力は切開前に急速に上昇し、切開の進行と共に徐々に減少した。なおこの時の張力は母指と示指によってほぼ等しい力が加わっていた。 考察・まとめ:切開開始時の垂直方向の押し込む力と引きながら切ることと、皮膚を伸展させる張力の重要なことが証明された。
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