1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671618
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Research Institution | TOKYO WOMEN'S MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石井 哲夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30082126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 理恵子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10287386)
篠 昭男 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50266798)
高山 幹子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80075481)
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Keywords | 皮膚切開 / 力センシングメス / 張力センサ / 力学的解析 / 頚部皮膚 / 脂肪組織 |
Research Abstract |
1.研究目的 前年度の基礎実験に続いて、実際に外科手術時に皮膚切開を行う場合の力学的な測定を行い、皮膚切開所時における適切な条件、あるいは切開部位による力学的相違、また皮膚組織の相違による切開力の違いについて計測した。なお、切開時に力センシングメスと張力センサの拇指と示指にかける力とを同時にモニタにスーパーインポーズし、さらにコンピュータおよびビデオに記録しこれらの結果を分析した。 耳鼻咽喉科領域では通常の皮膚切開と異なり、皮下組織や脂肪の少ない骨面に接している部位の皮膚切開や、直接的な切開でなく曲線の切開を余儀なくされる場合も多い。そこで今回はヒト皮膚切開の実際の力学的解析を行った。 2.対象と方法 前年度に作製した2軸センシングメスおよび2軸張力センサを使用して、頭頸部の手術症例における皮膚切開の力学的解析を行った。なお手術の前にインフォームドコンセントにより本人あるいは家族から承諾を得てある。 3.結果 1)ヒトの頭頚部の手術時に行った皮膚切開では、皮膚にかける張力は拇指と示指にかける張力はほぼ等しかった。 2)切開に関して最初にメスを垂直方向に押し込む力が上昇し、次いで水平方向に引く力が上昇した。 3)頚部の皮膚切開ではまず皮膚の切開が行われ、皮下の脂肪組織が次に切開される。この場合皮膚では力が大きく、脂肪組織では切開力は小さいことが分かった。 4)耳後部の比較的皮膚層が薄く骨に接している部位では皮膚、筋膜、骨膜の順に切開の力が分離して計測された。
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