1999 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部進行癌の非手術的治療法の開発 -2ルート化学療法と放射線治療の併用-
Project/Area Number |
10671619
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Research Institution | NIHON UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木田 亮紀 日本大学, 医学部, 教授 (00096801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夜陣 紘治 広島大学, 医学部, 教授 (10136062)
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Keywords | 頭頸部癌 / 扁平上皮癌 / 化学療法 / 放射線治療 |
Research Abstract |
目的 未治療の頭頸部扁平上皮癌を対象とし、根治を目的として化学療法(CDDP+5-FU)と放射線治療の併用を行い奏効率、治療完遂を検討した。 治療方法 CDDP100〜140mg/m^2を第1日に30分間で選択的動注、5-FU1000mg/m^2/日を第2〜6日に持続点滴静注を行い、これを1コースとして2〜4週毎に3コース行った。3コース目の化学療法は放射線治療と同時に行った。CDDPの毒性を軽減するためCDDP動注の前後にチオ硫酸ナトリウムを点滴動注し、CDDPを中和した。 結果 治療は91例(上咽頭10例、中咽頭25例、喉頭4例、口腔34例、上顎18例)に行い、治療を完遂できたものは87例であり、完遂率は95%であった。 完遂症例(完全例)について本研究の目的であるCR率を部位別にみると、上咽頭癌10例(III期1例、IV期9例)のCRは9例(90%)、中咽頭癌24例(II期5例、III期9例、IV期10例)のCRは18例(75%)、喉頭癌4例(II期1例、III期1例、IV期2例)のCRは2例(50%)、口腔癌32例(II期7例、III期9例、IV期16例)のCRは12例(37%)、上顎癌17例(II期2例、III期9例、IV期6例)のCRは11例(64%)であった。CR症例の大部分は臓器の機能と形態を保存することができた。 口腔癌のCR率は低く、2ルート化学療法の適応を再検討せざるを得なかった。 結論 上咽頭、中咽頭、喉頭、上顎洞の進行癌に対する2ルート化学療法・放射線併用は有用な方法であると思われた。
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