1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671627
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
加藤 寿彦 福岡大学, 医学部, 教授 (80078766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿木 隆介 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10145196)
原田 博文 福岡大学, 医学部, 助手 (00299562)
白石 君男 福岡大学, 医学部, 助手 (90187518)
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Keywords | ニオイ刺激 / ヒト / 脳磁図 / 周波数分析 |
Research Abstract |
当該年度では、ヒトにニオイ刺激と空気刺激を与えたとき,SQUIDによって記録された脳磁図(MEG)を高速フーリエ変換(FFT)を行い、ニオイ刺激と空気刺激および無刺激のMEGにどのような差異があるかを統計学的に検討した。その結果,以下の知見が得られた。 1.周波数帯域別の空気刺激とニオイ刺激の比較で1Hz毎に検討した解析では、ニオイ刺激で左前頭部の正中付近に7Hzのスペクトル密度の増大を認めた。このスペクトル密度の増大は、ニオイ刺激により生じたアミルアセテートに対する認知機構によるものが示唆された。その発生部位は嗅覚中枢の1つである眼窩前頭野と強く関連しているを思われた。 2.無刺激と空気刺激の比較、および無刺激とニオイ刺激の比較で両者とも8Hzにおいて、右半球でニオイ刺激によりスペクトル密度が増大する領域と減少する領域が観察され、この8Hzの変動は刺激による覚醒レベルの上昇によるものと考えられた。 3.無刺激と空気刺激の比較で11Hzにスペクトル密度の増大を認め、同様に無刺激とニオイ刺激の比較で11、12Hzにスペクトル密度の増大を認めた。これらは刺激をランダムに与えていることによる注意力の集中によるものと推測した。 4.無刺激と空気刺激の比較、無刺激とニオイ刺激の比較で両者とも刺激反対側の左半球で21Hz、22Hzに有意差を認め、空気とニオイ刺激による三叉神経刺激の体性感覚野からの反応と推測した。 5.無刺激とニオイ刺激、無刺激とニオイ刺激の比較でいずれも左半球の14-17Hz、23-24Hzに認められた変動は、ニオイ刺激による快・不快などの一次性情動と関連していると思われた。
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