1999 Fiscal Year Annual Research Report
ZAPRINASTを用いた房水流出機構の実験的研究
Project/Area Number |
10671645
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 亮 山口大学, 医学部, 助教授 (50163027)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤倉 義久 大分医科大学, 医学部, 教授 (10165368)
|
Keywords | 房水流出率 / フォスフォディエステラーゼ阻害薬 / 緑内障 / 線維柱帯 / 内眼筋 |
Research Abstract |
本年度の目的は、平成10年度に引き続き,申請者の行ってきた房水流出率の生理学的実験と房水流出障害の研究を発展させ,zaprinastを用いて房水流出率を向上させる方法を見いだすことであった。 Zaprinastは特異的にcGMPを上昇させるphosphodiesterase5型アイソエンザイムの阻害薬である. 1 平成11年度の結果 (1)眼灌流装置を開発した(成果報告書に図と論文添付). これにより任意の時刻で実際の房水流出率をin vitroでも実測できるようになった。Zaprinastや他のPDE阻害薬等の効果は成果報告書にグラフを添付した. (2)zaprinastとsildenafilはともに摘出ウン眼の房水流出率を改善させた. zaprinastの方がsildenafilより強力であった.同じくcAMPを上昇させる薬物と比較すると、zaprinastは灌流3時間でベースラインの100%以上の増加を示したのに対し,isoproterenolは灌流3時間で流出率は各々対照の、97.3±6.8(1μM),80.8±5.9(10μM),83.5±4.7%(100μM) になった。 (3)zaprinastの内眼筋への効果を調べた. zaprinast(10-7から10-5M)はウシ毛様体筋のトーヌスを変えなかった.よって房水流出率の増加は毛様体筋の収縮を介していない可能性がある. (4)cGMP濃度を上昇させる一酸化窒素関連薬が房水流出率を上昇させることを追試,確認した. (5)線維柱帯内皮細胞と毛様体筋の培養実験をおこなった. zaprinastの容量一房水流出率曲線は3時間以上経過すると3AT,BCNUの存在下でも房水流出率が著明に低下した.この変化はcAMP,cGMPアナログによる隅角内皮細胞や房水流出率の経時曲線と異なっていた.房水流出にはcAMPやcGMPを介さない反応も示唆された. 2 平成11年度の変更点(費用): 申請していた海外渡航費は,消耗品の費用がかさんだため断念した.備品については計画通り使用した.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Suzuki R: "Three types of massive and prolonged retinal bleeding as a complication of hypotony after trabeculectomy."Ophthalmologica. 213. 135-138 (1999)
-
[Publications] Nomura S: "Optic glioma with characteristic bilateral optic atrophy in a 3-year-old girl."Pediatr Neurosurg. 31. 213-218 (1999)
-
[Publications] Suzuki R: "Myocilin gene Abnormality in patients with open -angle glaucoma and normal tension glaucoma with a family history."Br J Ophthalmic. (印刷中).
-
[Publications] 鈴木亮: "線維柱帯切除後にみられた大量網膜出血"眼科臨床医報. 92. 11-14 (1999)
-
[Publications] 鈴木亮: "高眼圧(房水流出抵抗増大)をひきおこす内服薬"あたらしい眼科. 16. 71-75 (1999)