1999 Fiscal Year Annual Research Report
難治性角膜ヘルペス原因ウイルスの解明(DNAポリメラーゼ遺伝子変異迅速検出法の開発)
Project/Area Number |
10671646
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塩田 洋 徳島大学, 医学部, 教授 (20035736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 泰夫 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (20304529)
賀島 誠 徳島大学, 医学部, 助手 (90294678)
工藤 英治 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (50274220)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / HSV / 角膜ヘルペス / チミジンキナーゼ / DNAポリメラーゼ / 薬剤耐性 / PCR-SSCP |
Research Abstract |
角膜ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染による角膜疾患である。難治性角膜ヘルペスは,HSVのチミジンキナーゼ(TK)もしくはDNAポリメラーゼの遺伝子変異に起因することが多い。そこでこれら遺伝子変異の迅速検出法の開発を試みた。1)プライマーの設計:TK遺伝子は1131塩基対からなる。この領域を含む7組のプライマーを作成し,遺伝子変異検出に利用し有効であった。一方DNAポリメラーゼ遺伝子は3708塩基対からなる。この内薬剤耐性化に強く関与するcodon437-963をカバーする7組のプライマーを作成し,遺伝子変異検出に利用し有用であった。 2)実験的薬剤耐性ウイルスの作成とその耐性機序の解明:VERO細胞を用い,HSV1型のPH株をごく微量のcarbocyclic oxetanocin G(C.OXT-G),adenine arabinoside(ara-A)あるいはfoscarnetを含む培養液中で10代継代培養し薬剤耐性株の作成を試みた。出来上がったC.OXT-G耐性株につき上記プライマーを用いて遺伝子変異の検出を試みた結果,この株はTK遺伝子の430番目のグアニンが欠損していた。DNAポリメラーゼには変異は認められなかった。Ara-A とfoscarnetに関しては耐性株が作成出来ず,これら薬剤は耐性株を作り難いことが判明した。 我々が作成したプライマーを用いて,polymerase chain reaction-single strand conformation polymorphism(PCR-SSCP)法と直接シークエンス法の組み合わせの基に,TKならびにDNAポリメラーゼ遺伝子変異を比較的迅速に検出出来ることが判明した。
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