1999 Fiscal Year Annual Research Report
Vogt-小柳-原田病における自己抗原特異的T細胞の標的抗原分子の同定
Project/Area Number |
10671655
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 参郎助 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (40162945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20199334)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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Keywords | 原田病 / メラノソーム蛋白 / SEREX |
Research Abstract |
原田病は、ぶどう膜や皮膚等のメラノサイトの存在する部位に炎症をきたす全身性疾患であり、メラノサイトに対する自己免疫疾患と考えられている。この自己抗原を同定することにより、原田病の発症機構の解明やその治療法の確立に役立つものと考えられる。昨年度は、自己抗原の検索を原田病患者血清IgG抗体が認識する抗原の同定を、SEREX法(serological identification of anitigens by recombinant expression cloning)で行ったが、原田病特異的と考えられる抗原は得られなかった。本年度は原田病患者血清を用い免疫沈降法と、原田病患者髄液中に含まれるT細胞のクローン化により検討を行った。 12名の原田病患者血清を、^<35>Sで認識したメラノーマ細胞(SKmel23)と反応させた。46Kd付近に原田病患者4名で特異的な濃いバンドが認められ、また68Kb付近にも4名で薄い特異的と思われるバンドが認められた。これらのバンドは原田病特異的と考えられたので、患者血清より抗体カラムを作製し、抗原蛋白の分離精製を行っている。 原田病の確定診断法として、髄液中のリンパ球の増加がある。我々は髄液中のリンパ球の増加が原田病特異的なクローンではないかと考え、3名の原田病患者の髄液よりリンパ球を分離し、メラノソーム蛋白と抗CD3抗体で刺激しT細胞のクローン化を試みた。メラノソーム抽出液で刺激した場合、CD4陽性のクローンが得られ、細胞増殖活性を調べたところ、メラノソーム抽出液と反応した。抗CD3抗体で刺激した場合、メラノサイト、メラノーマ対して特異的に反応しているクローンが7つ得られた。現在、これらクローンと原田病との関連性ついてさらに検討を行っている。
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