1998 Fiscal Year Annual Research Report
マウス小眼球症の発症機構の解明にむけた分子生物学的研究
Project/Area Number |
10671664
|
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
正木 茂夫 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 主任研究員 (10157175)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹鼻 眞 共立薬科大学, 生理解剖学, 講師 (60121505)
|
Keywords | γクリスタリン / 水晶体 / 白内障 / 遺伝疾患 / フィレンシン / 細胞分化 / 発現異常 / 転写因子 |
Research Abstract |
小眼球や白内障の原因を探る研究は、それらの予防や治療法の開発に必須であると同時に、レンズの分化過程と細胞形態形成を分子レベルで理解する上で重要であり、この研究計画もその一環と位置づけられる。遺伝性小眼球症Eloマウスでは、正常γE-クリスタリンに替わってc端の欠けた変異γE-クリスタリンを発現している。本研究では変異γE-クリスタリンがどのような機構で細胞の分化異常を起こすのかを検索し、まだ知られていないγ-クリスタリンの新しい生理的意義を探りだす。 本年度は(1)Eloマウスより変異γE-クリスタリンcDNAを得る。または変異遺伝子をゲノムDNAよりPCR法により単離し、変異部域を確認する。(2)フィレンシン遺伝子プロモータの解析については平行して行い、引き続きγ-クリスタリンとの相互作用検索の準備を行う。の2点につき重点的に作業を行った。 まず変異γE-クリスタリンcDNAをPCRにより合成し、pEGFPベクターに組み込んだプラスミドpEGFP-γEloを、英国Dundee大学Dr.Quinlanと共同で開発した。また、マウスフィレンシン遺伝子の5'-上流域をクローニングし、遺伝子プロモータ活性を示す領域を決定しその機能解析を行った。活性を示す領域は、転写開始点(+1)を含む203bp(-163〜+44)に限局され、この領域はG/Cに富み、近傍にTATAやCCAATと相似の配列が見られないことから、フィレンシン遺伝子のプロモータは、ハウスキーピングプロモー夕様の性格を持つと予想される。この領域を用いてEMSAを行ったところ、Spl、AP-2配列に結合する因子が観察された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Yonezawa,S.,Masaki,S.,他: "Cathepsin E gene in mouse." Biomed.Res.19. 327-334 (1998)
-
[Publications] Masaki,S.,Kamachi,Y.,他: "Identification and functional analysis of the mouse lens filensin gene promoter." Gene. 214. 77-86 (1998)
-
[Publications] Sandilands,A.,Masaki,S.,他: "Lens intermediate filament protein.in“Intermediate Filament",Vol.31," Plenum,New York., 28 (1998)