1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒルシュスプルング病モデル動物結腸の壁外性線維の機能に関する組織学的検討
Project/Area Number |
10671676
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
長浜 真人 三重大学, 医学部, 講師 (50198355)
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Keywords | ヒルシュスプルング病 / 消化管 / モデル動物 / 神経終末 / 免疫組織化学 / 光学顕微鏡 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
ヒルシュスプルング病の疾患モデル動物である先天性aganglionosisラット結腸に増生する壁外性神経線維終末の分布、標的細胞の有無について、免疫電顕法を含む免疫組織化学的染色法にて観察・検討を行った。種々の神経マーカー抗体(Substance P、VIP、その他)にて免疫標識された壁外性線維の終末が電顕的に外縦筋層、内輪外縦筋層間、粘膜下層、粘膜筋板、粘膜固有層に多数認められた。しかしながら、疾患モデルラット結腸では、正常ラット群に比べて、内輪筋層内での終末の形成は、検索したどの種類の線維のいずれも乏しかった。神経終末のシナプス小胞に特異的に存在するシナプトフィジンに対する抗体による光顕的免疫染色でも疾患モデルラット腸管での終末の分布を明らかにし、強縮した腸管の一部の外縦筋層内に多数の終末を認めたのに対し、いずれの強縮部位においてもその内輪筋層内に終末の形成は極めて乏しかった。外縦筋層、筋層間、粘膜下層、粘膜筋板、粘膜固有層では、これらの神経終末は自由終末の構造を呈するか、平滑節細胞あるいは線維芽細胞様細胞に近接し、シナプス様構造を呈していました。特に粘膜固有層内に増生したこれらの線維終末が粘膜下線維芽細胞様細胞に近接していたのが特徴的であった。壁外性神経の主要な標的であると考えられる消化管壁内の神経節細胞が欠如した疾患モデルラット結腸では、その壁外性神経線維が異例的に、その終末を粘膜下線維芽細胞様細胞に近接させたものと考えられた。
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[Publications] M.Nagahama,M.Tsuzuki,et al.: "Light and electron microscopic studies of pituitary adenylate cyclase activating peptide (PACAP)-immuncreactive neurons in the enteric nervous system of rat small and large intestine"Anatomy and Embryology. 198. 341-352 (1998)
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[Publications] S.Nakamura,M.Nagahama,et al.: "Hodgkin's disease expressing follicular dendritic cell marker CD21 without any other B-cell marker.A Clinicopathologic study of nine cases"American Journal of Surgical Pathology. 23. 363-376 (1999)