1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671678
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
一瀬 正治 千葉大学, 医学部・附属病院, 教授 (90082156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 裕 千葉大学, 医学部, 教授 (70009116)
吉本 信也 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (90220748)
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Keywords | 細胞移植 / 外科的皮弁 / 血管新生 / 幹細胞 / 線維芽細胞増殖因子 |
Research Abstract |
形成再建外科領域において、皮弁壊死の防止は重要な問題であり各種薬剤による薬物的delayや外科的delayによる皮弁延長効果の研究が盛んに行われている。今年度は、自己骨髄細胞の異所性移植が皮弁の延長効果をもたらすかについてラットを用いて実験を行った。 ラットは同系のF344 (Fischer)を使用した。これは異なる個体間でも拒絶反応を起こさず自己細胞移植と同じ結果を得られるためである。またラットのランダムパターン皮弁モデルとしてHammondらが提唱した、尾側に基部をおく2x7cm大のものを採用した。 生後13週齢のラット1頭に対し、生後9週齢のラット3頭を骨髄ドナーとし、両側の大腿骨と脛骨より採取した骨髄を組織培養液に浮遊させて皮弁挙上予定部皮下に注入した。 またウシのリコンビナント塩基性線維芽細胞増殖因子の局所投与による、血管新生を介した皮弁の延長効果をみるため、同様の皮弁モデルで1頭あたり3.3マイクログラムを培養液に溶解して同様に投与した。対照群として培養液のみの群を設けた。各注入7日後に皮弁を挙上し、84時間後に生着範囲の判定を、コンピュータプログラム上で行った。 その結果骨髄細胞移植群、線維芽細胞増殖因子投与群とも対照群との間に有意差を認めず、少なくとも今回の方法では皮弁の延長効果が得られないことが明らかになった。特に、骨髄細胞移植群において移植から挙上までの期間を4週間にしたものも試みたが、やはり皮弁延長効果を認めなかった。生理的酸素分圧下での血管新生はこの方法では困難であることが示唆された。来年度は皮膚全層凍結損傷部への異所性骨髄細胞移植による血行改善の有無をみる実験を予定している。一方、線維芽細胞増殖因子に関しては、投与後の急速な拡散や不活化が延長効果の得られない原因とも考えられ、投与方法を変えた実験を予定している。
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Research Products
(1 results)