1999 Fiscal Year Annual Research Report
骨組織に特異的なLIFのシグナル伝達及び分子機構の解明
Project/Area Number |
10671681
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平野 明喜 長崎大学, 医学部, 助教授 (90208835)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 定伯 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (90315250)
|
Keywords | 頭蓋顔面骨 / 局所サイトカイン |
Research Abstract |
頭蓋骨、顎骨を外科治療で取り扱う際、再建時には、骨欠損部への効果的な骨形成が望まれる。頭蓋顎骨の動態を調べる目的にて、先天性に顎変形をきたす疾患で、当科にて最も治療する機会の多い、唇顎口蓋裂71例につき上下顎骨きり術を行い、術後後戻り、偏位について、平均2.5年の観察期間中の検討を行った。水平方向の移動量は上顎骨の平均6.9mmで移動量と術後後戻りは相関した。上顎上方移動群と下方移動群では有意差を認めた。また、顎移動において回転時には、移動方向に関係なく後戻りとの相関を認めた。更に、顎裂の裂型においても差異を認めた。以上臨床検討、セファログラム解析において顎矯正手術の際は、移動方向、移動量、術式、裂型などの因子で、術後後戻りや偏位は影響されうる事が判った。ついで、上顎骨と発生、組織学的に同一な頭蓋骨欠動物モデルにおける局所因子の効果について、検討した。既に成長ホルモン産生細胞担体ラット頭蓋骨において、白血病抑制因子(Leukemia Inhibitory Factor,LIF)の発現を認めており、今回ラット頭蓋骨欠損モデルに、ゲルフォーム(ゼラチン・スポンジ)を担体として使用し、LlF cDNA発現ヴェクタ一プラスミドの、欠損部への骨形成効果、骨密度の評価、骨細胞産生、LIF蛋白発現、LIFメッセ一ジ発現を検討した。DEXA法で求められた骨密度は観察3週までに有意に上昇し、局所では線維芽細胞、コラーゲン線維は減少し、骨芽様細胞は増加した。LIF免疫組織染色、LIF In situ hybridization法による局所のLIFメッセージはLIFプラスミド添加群で著明に上昇した。頭蓋骨欠損部へのLIFプラスミド遺伝子導入は骨形成に効果的であった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Akiyoshi Hirano,Hiroyuki Suzuki: "Factors Related to Relapse after Le Fort I Maxillary Advancement Osteotomy in Patients with Cleft Lip and Palate"Cleft Palate-Cran J. (in press).
-
[Publications] Fujioka Masaki,Fujii Tohru,Hirano Akiyoshi: "Complete breakage of 3-D miniplates: unusual complication of osteosynthesis after sagittal split osteotomies"Scand J Plast Recons. (in press).
-
[Publications] Rashid Hohammad Abdur,Sadanori Akita,Tohru Fujii,et al.: "Coadministration of Basic Fibroblast Growth Factor and Sucrose Octasulfate (Sucralfate) Facilitates the Rat Dorsal Flap Survival and Viability"Plast Recnstr Surg.. 103. 941-948 (1999)
-
[Publications] 太宰聖志、平野明喜、その他: "ミトコンドリア筋症に伴う眼瞼下垂に対する治療経験"日本頭蓋顎顔面外科学会誌. 15. 1-6 (1999)
-
[Publications] 田中克己、平野明喜: "上顎低形成の治療-LeFort I型上顎骨切り術を中心として-"形成外科. 42. 93-101 (1999)
-
[Publications] 鈴木弘之、竹馬聡、小牧憲明、岡秀喜、平野明喜: "顎骨延長術の臨床応用"伊藤学而、上田実、高戸毅編. (1999)